カリキュラム

カリキュラムについて

カリキュラム概要

人生100年時代において、仕事や子育てがひと段落した人生の後半を充実したものにするためには、生きがいとなるライフワークを見つけることが重要になります。Life Redesign Collegeでは、自分らしいこれからの生き方を再設計することを目的としたカリキュラム構成となっています。
また、春学期、夏学期、秋学期、冬学期の4学期制を採用し、学びのサイクルを短くすることで、1年間という限られた期間において、効率的に多くの科目を受講できるようにしています。

① Life Redesign科目群

導入として今までの人生の振り返りや知識・経験の棚卸しを行ったうえで、これからの生き方をデザインするための土台となる知識や思考法を学びます。主に春学期と夏学期を中心に科目を受講します。Life Redesign科目群の6科目は全員必修となります。

② 専門科目群

専門科目群には、社会課題、社会貢献を軸に今後の人生におけるいきがいや居場所を求めたいと考える方のために「Social Issues(社会課題)」を、一方で社会課題/社会貢献に主眼をおかない方々も、自身の関心のある分野を探求することができるよう「Liberal Arts(教養)」と、これまでの人生で蓄積したスキルや知識および経験を活かし、自己表現・伝承していくための「Communication(表現・伝承)」の3つの領域を設定しています。各領域に必修科目(選択必修を含む)を設置しています。必修科目(選択必修を含む)以外は、各自の関心に合う領域の中から自由に科目を受講できます。また3つの領域を横断的に学ぶことも可能です。

3つの領域の概要

Social Issues
(社会課題)
日本や海外で起こっている社会課題の現状や、ボランティア、NPO/NGO、社会起業(ソーシャルビジネス)などの社会課題解決手法を学ぶことで、社会活動・社会貢献に取り組む際のベースとなる知識を身に付けます。また、実際の企業/自治体/個人の事例等のケーススタディ、仮想体験、実践者との対話等により、具体的な社会課題、課題解決方法について実践的に学びます。
Liberal Arts
(教養)
Social IssuesやCommunicationを学修する過程で必要と感じる知識を補いたい、既存の見識をさらに深めたい、今まで学ぶ機会のなかった新たな学問へ挑戦したいなど、自身のニーズに合わせて幅広い教養講座の中から受講します。 
  • 必修科目のほか、本学の公開講座「オープンカレッジ」(年間約2,000講座)からご希望の科目を選択し受講します。オープンカレッジの講座内容や受講規約等の詳細はこちら(エクステンションセンターHPへジャンプ)より確認ください。
    なお、LRCの受講生は、オープンカレッジの講座を制限なく受講することができます。
Communication
(表現・伝承)
今まで培った自身のスキルや知識を活かして今後も社会で活躍していくために、ライティングやプレゼンテーション手法の学修を通して表現力をブラッシュアップしていきます。また、コミュニケーションツールとなる現代メディアの特徴や使い方を学び、効果的な発信方法を学びます。

③ ゼミナール

秋学期と冬学期にはゼミナールに所属します。専門科目の3つの領域「Social Issues(社会課題)」、「Liberal Arts(教養)」、「Communication(表現・伝承)」からひとつの領域を選択し、各自の関心を深化させると同時に、修了後にどのようなことに取り組んでいきたいのか(社会課題解決の活動、大学院進学等、自身の見識をメディアで発信など)、自身の今後のライフデザインと関連付けてまとめます。ゼミナールは土曜日の4時限もしくは5時限に開講します。

④ クラスワーク

LRCの重要なコンセプトのひとつであるコミュニティ形成の促進を目的とした制度です。退職後など一定の年齢に達すると、新たなコミュニティに参加することはハードルが高いと言われています。クラスワークでは少しでも受講生同士の交流が円滑に進むよう、本学の名誉教授など大学での教員歴が豊富な講師が担任となり、1年間を通して同じ仲間とともに伝統的な哲学や思想をベースに議論し考えることで、受講生同士のコミュニティ化を図ります。各学期4回、土曜日の2時限目に開講します。原則全員参加ですが、修了要件には含みません。

クラスワーク担当講師

  • 早稲田大学名誉教授 古賀 勝次郎
  • 早稲田大学名誉教授 佐藤正志
  • 早稲田大学名誉教授 土田健次郎
<span>早稲田大学名誉教授</span> 古賀 勝次郎の画像

プロフィール

古賀 勝次郎
早稲田大学名誉教授

早稲田大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。早稲田大学社会科学総合学術院教授を経て、現在は名誉教授。理論経済学、西洋社会思想、比較社会思想史専攻。経済社会学会会員。大学院社会学研究科副研究科長、研究科長などを歴任。経済学博士(早稲田大学)。2014年にアジア・太平洋特別賞受賞。主な著書に「東西思想の比較」(成文堂)、「ハイエクと新自由主義」(行人社)、「ヒューム体系の哲学的基礎」(同)、「近代日本の社会科学者たち」(同)、「鑑の近代-『法の支配』をめぐる日本と中国」(春秋社)など。主な翻訳書として、グレイ「ハイエクの自由論」(共訳、行人社)、ハイエク「自由の条件」(共訳、春秋社)などがある。

受講生へメッセージ

私がこれまで研究してきたテーマは①近代西洋の社会思想、②西洋文化と東洋文化の比較、③近代日本の社会科学、④日本と中国の近代化の比較、の4つです。①は特に自由主義思想を取り上げ、ヒュームやハイエク、②ではドストエフスキーや小林秀雄、③では西周や穂積陳重、④では井上毅や康有為、などを研究しました。私はこうした思想家を研究しながら、様々な人生を学んできました。クラスワークでは、受講生の皆さんの関心や興味に応じ、一方では、書(入手しやすい文庫や新書)を読み、他方では、皆さんと討論しながら、授業を進めます。そうして、個人と社会の関係、科学と文化と自然の問題、人生における学問の意義、これからの日本と世界の在り方、更には人間とは何か、人生とはなにかといったことをともに学びます。私も皆さんと本を読み、討論をしながら、改めて人生の意味を考えてみたいと思います。

<span>早稲田大学名誉教授</span> 佐藤正志の画像

プロフィール

佐藤正志
早稲田大学名誉教授

早稲田大学教授を定年退職。早稲田大学大学院政治学研究科長、同政治経済学術院長・政治経済学部長、早稲田大学理事を歴任。『ホッブズ、リヴァイアサン』(共著、有斐閣、1978年)、『政治学講義』(共編著、早稲田大学出版部、1989年)、『政治思想のパラダイムー政治概念の持続と変容』(新評論、1996年)、『政治概念のコンテクストー近代イギリス政治思想史研究』(共編著、早稲田大学出版部、1999年)、『啓蒙と政治』(編著、早稲田大学出版部、2009年)、『現代政治理論』(共編著、おうふう、2009年)、『多元主義と多文化主義の間ー現代イギリス政治思想史研究』(共編著、早稲田大学出版部、2013年) 。

受講生へメッセージ

私の専門は、初期近代と啓蒙を中心とした西洋政治思想史、および政治哲学・規範的政治理論で、とくに、ホッブズやルソー、古典的政治哲学の伝統や公共哲学などに関心をもってきました。クラスワークは、共に学び合うことを目標に、お互いの問題関心や現代の社会的課題などについて自由なディスカッションを行う場になればと思っています。また古典を一緒に読みながら、リベラル・アーツの意味なども共に考える時間も持ちたいと思います。さらに、これから何を学ぶのか、どのように学べばよいのかといったことについても情報を出し合えるとよいのではないでしょうか。こうしたクラスでの活動が、語りあうコミュニティの中でそれぞれの人が自らの生の意味を考えながら新しいライフ・ステージに踏み出してゆくきっかけとなることを願っています。私もまたこの場で学びたいと思っています。

<span>早稲田大学名誉教授</span> 土田健次郎の画像

プロフィール

土田健次郎
早稲田大学名誉教授

早稲田大学教授(文学学術院)を経て、現在は名誉教授。
早稲田大学文学学術院長、副総長(常任理事)、大隈記念早稲田佐賀学園理事長を歴任。
日本中国学会理事長、日本儒教学会会長を経て、現在は中国社会文化学会会長。
主著:『道学の形成』(創文社)、『儒教入門』(東京大学出版会)、『江戸の朱子学』(筑摩書房)、『朱熹の思想体系』(汲古書院)、『論語集注』全訳注4巻(平凡社)、『聖教要録・配所残筆』訳注(講談社)、『「日常」の回復―江戸儒学の「仁」の思想に学ぶ』(早稲田大学出版部)、『論語二十四講』(明徳出版社)等

受講生へメッセージ

私の専門は中国思想と日本思想です。朱子学、陽明学、古学などの儒教を中心に研究していますが、儒教と仏教、道教、神道、キリスト教、イスラム教との関係も取り上げてきました。
話し合うことを通して、受講生の皆さんがお持ちになっている関心が広がり深まり、具体的な形に組み上がっていくお手伝いができたらと考えています。またあわせて何か古典を取り上げ、文化や思想関係の書を読む意味、学問や教養の本質を、皆さんと考えてみたいと思っています。

修了要件

1年間で14科目以上の科目を修了することが要件となります。

  • 各科目、原則7回授業が実施されます。それぞれの科目を修了するためには、各科目2/3(5回)以上の出席と、科目によっては課題の提出が必要となります。
  • クラスワークは修了要件には含みません。
科目群 必修/選択 科目数 備考
Life Redesign科目群 必修 6科目
専門科目群
‐3つの領域‐
①Social Issues
②Liberal Arts
③Communication
必修 3科目 3領域の指定科目
選択必修 1科目 Social Issues領域の指定の3科目から1科目以上選択
選択 2科目 3領域に設置の科目から選択
ゼミナール 選択必修 2科目 秋学期1科目、冬学期1科目の計2科目。原則同一ゼミナールを受講
合計 14科目

科目一覧

科目群/領域 必修/選択 科目名 講師名
Life Redesign科目群
必修人生100年時代のためのLife Redesignを考える ~これからの人生に向けて~株式会社インソース シニア講師 蛯原恵子
必修コミュニティ心理学入門~心の健康を保持・増進するために~上智大学教授 久田満
必修老年学入門 ~生きがいによる豊かな人生をおくるために~早稲田大学名誉教授 和田修一
必修クリエイティブシンキング ~未来社会の創造的考察~i.school ディレクター、i.lab代表取締役 横田幸信
必修異文化コミュニケーション早稲田大学教授 花光里香
必修アンガーマネジメント ~自分も相手もOKになる解決方法を学ぶ~早稲田大学教授 本田恵子 他
専門科目群/Social Issues
(社会課題)領域
必修SDGs概論~ゴール達成のための実践的思考法~SDGパートナーズ有限会社取締役、国連WFP職員(休職中)
吉村美紀
選択必修持続可能な社会とNPO/NGOの役割国際協力NGOセンター理事/THINK Lobby 所長
若林秀樹
選択必修ソーシャルビジネスとSDGs早稲田大学教授
谷本寛治
選択必修あなたの体験を社会貢献に生かす方法論 ~アクションプランニング~早稲田大学准教授
兵藤智佳
選択あなたの体験を社会貢献に生かす方法論 ~実践編~早稲田大学准教授
岩井雪乃
選択食料・農業・農村問題入門 ~~再生の道を考える~早稲田大学教授
柏雅之
選択頻発する災害に市民はいかに向き合うべきか  ~災害現象への理解と基本的な備え~早稲田大学名誉教授 
浦野正樹
選択課題解決に向けた事業創造プラクティス ~~リアルな社会課題、地域課題に向き合う~NPO法人ETIC.ローカルイノベーション事業部 事業部長
伊藤淳司
選択ケーススタディ(NPO/NGO)日本NPOセンター事務局次長
上田英司
専門科目群/Liberal Arts
(教養)領域
必修アカデミックリテラシー ~学びを深めるための方法と研究を行うための基礎~早稲田大学教授
守口剛 他
専門科目群/Communication
(コミュニケーション)領域
必修自己分析・現代理解アースシップ・コンサルティング 代表
松山淳(自己分析担当)

株式会社メディアコラボ代表取締役
古田 大輔(現代理解担当)
選択伝えるための言葉の技術株式会社電通 zeroエグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター 磯島 拓矢
株式会社電通 クリエイティブ・ディレクター 橋口 幸生
株式会社電通 コピーライター 阿部 広太郎
選択シニアマーケティング・若者学電通シニアプロジェクト代表
斉藤 徹 (シニアマーケティング担当)
電通若者研究所(ワカモン)所属
小島 雄一郎 (若者学担当)
選択伝えるための表現ステップ ~アウトプットのプロセスを習得する~株式会社favy執行役員CCO 齋藤尚司
選択自己表現のための現代メディア株式会社GiftX 代表取締役社長 飯髙悠太
株式会社ホットリンクマーケティング本部長 室谷良平
選択表現手法 (ライティング)株式会社電通 クリエイティブディレクター・コピーライター 薄景子
選択表現手法(プレゼンテーション)株式会社メディアジーン 編集部門執行役員 遠藤祐子
ゼミナール
※いずれか1つのゼミを選択
選択必修Social Issueゼミ1早稲田大学名誉教授
吉田徳久
選択必修Social Issueゼミ2早稲田大学名誉教授
和田修一
選択必修Liberal Artsゼミ1早稲田大学名誉教授
橋本周司
選択必修Liberal Artsゼミ2早稲田大学教授
守口剛
選択必修Communicationゼミ(秋学期)
株式会社電通 執行役員/Chief Creative Officer 佐々木康晴
株式会社UltraBlack 代表取締役/コピーライター/クリエイティブディレクター 藤本宗将
(冬学期)
株式会社UltraBlack 代表取締役/コピーライター/クリエイティブディレクター 藤本宗将
  • Social Issues(社会課題)の選択必修科目は3科目からいずれか1つ以上の受講が必要です。
  • ゼミナールは選択必修です。いずれか1つの受講が必要です。秋学期と冬学期は同じゼミナールに所属します。
  • 科目名は今後変更の可能性があります。

受講方法について

LRCの授業は対面を前提に、原則として教室で実施します。ただし、社会情勢や講座の内容および講師やヒアリング先の都合等により、ZOOMを活用したオンライン形式やオンデマンド形式で実施する場合があります。実施方法の詳細は、各科目のシラバスページにて確認してください。

受講に際して本学のLearning Management SystemであるWMoREを活用して授業を運営します。WMoREの活用方法としては、授業で必要となる資料の事前ダウンロード、課題の提出、講師と受講生のコミュニケーション、科目に関するアンケート等を想定しています。また、WMoREではご自身が受講された科目や受講中の科目について確認することもできます。WMoREの詳細は、新入生オリエンテーションで説明します。