カリキュラム

2023年度カリキュラムについて

カリキュラム概要

人生100年時代において、仕事や子育てがひと段落した人生の後半を充実したものにするためには、生きがいとなるライフワークを見つけることが重要になります。Life Redesign Collegeでは、自分らしいこれからの生き方を再設計することを目的としたカリキュラム構成となっています。

また、春学期、夏学期、秋学期、冬学期の4学期制を採用し、学びのサイクルを短くすることで、1年間という限られた期間において、効率的に多くの科目を受講できるようにしています。

① Life Redesign科目群

導入として今までの人生の振り返りや知識・経験の棚卸しを行ったうえで、これからの生き方をデザインするための土台となる知識や思考法を学びます。主に春学期と夏学期を中心に科目を受講します。Life Redesign科目群からは3つの科目を受講します。1科目は必修で全員一緒に受講し、2科目は4科目の中から各自の関心に合わせて選択して受講します。

② 専門科目群

専門科目群には、社会課題、社会貢献を軸に今後の人生におけるいきがいや居場所を求めたいと考える方のために「Social Issues(社会課題)」を、一方で社会課題/社会貢献に主眼をおかない方々も、自身の関心のある分野を探求することができるよう「Liberal Arts(教養)」と、これまでの人生で蓄積したスキルや知識および経験を活かし、自己表現・伝承していくための「Communication(表現・伝承)」の3つの領域を設定しています。各領域に必修科目(選択必修を含む)を設置しています。必修科目(選択必修を含む)以外は、各自の関心に合う領域の中から自由に科目を受講できます。また3つの領域を横断的に学ぶことも可能です。

3つの領域の概要

Social Issues
(社会課題)
日本や海外で起こっている社会課題の現状や、ボランティア、NPO/NGO、社会起業(ソーシャルビジネス)などの社会課題解決手法を学ぶことで、社会活動・社会貢献に取り組む際のベースとなる知識を身に付けます。また、実際の企業/自治体/個人の事例等のケーススタディ、仮想体験、実践者との対話等により、具体的な社会課題、課題解決方法について実践的に学びます。
Liberal Arts
(教養)
Social IssuesやCommunicationを学修する過程で必要と感じる知識を補いたい、既存の見識をさらに深めたい、今まで学ぶ機会のなかった新たな学問へ挑戦したいなど、自身のニーズに合わせて幅広い教養講座の中から受講します。 
  • 必修科目のほか、本学の公開講座「オープンカレッジ」(年間約2,000講座)からご希望の科目を選択し受講します。オープンカレッジの講座内容や受講規約等の詳細はこちら(エクステンションセンターHPへジャンプ)より確認ください。
    なお、LRCの受講生は、オープンカレッジの講座を制限なく受講することができます。
  • オープンカレッジのオンデマンド講座は、LRC修了要件の対象外となります。
Communication
(表現・伝承)
今まで培った自身のスキルや知識を活かして今後も社会で活躍していくために、ライティングやプレゼンテーション手法の学修を通して表現力をブラッシュアップしていきます。また、コミュニケーションツールとなる現代メディアの特徴や使い方を学び、効果的な発信方法を学びます。

③ ゼミナール

秋学期と冬学期にはゼミナールに所属します。専門科目の3つの領域「Social Issues(社会課題)」、「Liberal Arts(教養)」、「Communication(表現・伝承)」からひとつの領域を選択し、各自の関心を深化させると同時に、修了後にどのようなことに取り組んでいきたいのか(社会課題解決の活動、自身の見識をメディアで発信、大学院進学等)、自身の今後のライフデザインと関連付けてまとめます。ゼミナールは土曜日の3時限に開講します。

④ クラスワーク

LRCの重要なコンセプトのひとつであるコミュニティ形成の促進を目的とした制度です。退職後など一定の年齢に達すると、新たなコミュニティに参加することはハードルが高いと言われています。クラスワークでは少しでも受講生同士の交流が円滑に進むよう、本学の名誉教授など大学での教員歴が豊富な講師が担任となり、1年間を通して同じ仲間とともに伝統的な哲学や思想をベースに議論し考えることで、受講生同士のコミュニティ化を図ります。各学期4回、土曜日の2時限目に開講します。原則全員参加ですが、修了要件には含みません。

クラスワーク担当講師

クラスワーク担当講師

  • 早稲田大学名誉教授 古賀 勝次郎
  • 早稲田大学名誉教授 佐藤正志
  • 早稲田大学名誉教授 土田健次郎
  • 早稲田大学名誉教授 川口浩
<span>早稲田大学名誉教授</span> 古賀 勝次郎の画像

プロフィール

古賀 勝次郎
早稲田大学名誉教授

早稲田大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。早稲田大学社会科学総合学術院教授を経て、現在は名誉教授。理論経済学、西洋社会思想、比較社会思想史専攻。経済社会学会会員。大学院社会学研究科副研究科長、研究科長などを歴任。経済学博士(早稲田大学)。2014年にアジア・太平洋特別賞受賞。主な著書に「東西思想の比較」(成文堂)、「ハイエクと新自由主義」(行人社)、「ヒューム体系の哲学的基礎」(同)、「近代日本の社会科学者たち」(同)、「鑑の近代-『法の支配』をめぐる日本と中国」(春秋社)など。主な翻訳書として、グレイ「ハイエクの自由論」(共訳、行人社)、ハイエク「自由の条件」(共訳、春秋社)などがある。

受講生へメッセージ

私がこれまで研究してきたテーマは①近代西洋の社会思想、②西洋文化と東洋文化の比較、③近代日本の社会科学、④日本と中国の近代化の比較、の4つです。①は特に自由主義思想を取り上げ、ヒュームやハイエク、②ではドストエフスキーや小林秀雄、③では西周や穂積陳重、④では井上毅や康有為、などを研究しました。私はこうした思想家を研究しながら、様々な人生を学んできました。クラスワークでは、受講生の皆さんの関心や興味に応じ、一方では、書(入手しやすい文庫や新書)を読み、他方では、皆さんと討論しながら、授業を進めます。そうして、個人と社会の関係、科学と文化と自然の問題、人生における学問の意義、これからの日本と世界の在り方、更には人間とは何か、人生とはなにかといったことをともに学びます。私も皆さんと本を読み、討論をしながら、改めて人生の意味を考えてみたいと思います。

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プロフィール

佐藤正志
早稲田大学名誉教授

早稲田大学教授を定年退職。早稲田大学大学院政治学研究科長、同政治経済学術院長・政治経済学部長、早稲田大学理事を歴任。『ホッブズ、リヴァイアサン』(共著、有斐閣、1978年)、『政治学講義』(共編著、早稲田大学出版部、1989年)、『政治思想のパラダイムー政治概念の持続と変容』(新評論、1996年)、『政治概念のコンテクストー近代イギリス政治思想史研究』(共編著、早稲田大学出版部、1999年)、『啓蒙と政治』(編著、早稲田大学出版部、2009年)、『現代政治理論』(共編著、おうふう、2009年)、『多元主義と多文化主義の間ー現代イギリス政治思想史研究』(共編著、早稲田大学出版部、2013年) 。

受講生へメッセージ

私の専門は、初期近代と啓蒙を中心とした西洋政治思想史、および政治哲学・規範的政治理論で、とくに、ホッブズやルソー、古典的政治哲学の伝統や公共哲学などに関心をもってきました。クラスワークは、共に学び合うことを目標に、お互いの問題関心や現代の社会的課題などについて自由なディスカッションを行う場になればと思っています。また古典を一緒に読みながら、リベラル・アーツの意味なども共に考える時間も持ちたいと思います。さらに、これから何を学ぶのか、どのように学べばよいのかといったことについても情報を出し合えるとよいのではないでしょうか。こうしたクラスでの活動が、語りあうコミュニティの中でそれぞれの人が自らの生の意味を考えながら新しいライフ・ステージに踏み出してゆくきっかけとなることを願っています。私もまたこの場で学びたいと思っています。

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プロフィール

土田健次郎
早稲田大学名誉教授

早稲田大学教授(文学学術院)を経て、現在は名誉教授。
早稲田大学文学学術院長、副総長(常任理事)、大隈記念早稲田佐賀学園理事長、日本中国学会理事長、日本儒教学会会長、中国社会文化学会会長を歴任。

日本中国学会賞、東方学会賞受賞。 主著:『道学の形成』(創文社)、『儒教入門』(東京大学出版会)、『江戸の朱子学』(筑摩選書)、『朱熹の思想体系』(汲古書院)、『論語』訳注(ちくま学芸文庫)、『論語集注』訳注4巻(平凡社東洋文庫)、『聖教要録・配所残筆』訳注(講談社学術文庫)、『「日常」の回復―江戸儒学の「仁」の思想に学ぶ』(早稲田大学出版部)、『論語二十四講』(明徳出版社)等

受講生へメッセージ

私の専門は中国思想と日本思想です。朱子学、陽明学、古学などの儒教を中心に研究していますが、儒教と仏教、道教、神道、キリスト教、イスラム教との関係も取り上げてきました。
みなで発表しあい語りあうことを通して、受講生の皆さんがお持ちになっている関心が広がり深まり、具体的な形に組み上がっていくお手伝いができたらと考えています。またあわせて何か古典を取り上げ、文化や思想関係の書を読む意味、学問や教養の本質を、皆さんと考えてみたいと思っています。

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プロフィール

川口浩
早稲田大学名誉教授

1951年生まれ。早稲田大学政治経済学部で日本経済思想史・日本経済史を担当。早稲田大学野球部長、早稲田中学校・高等学校校長、社会経済史学会常任理事などを務めた。主な著作は『江戸時代の経済思想―「経済主体」の生成―』(単著、勁草書房、1992)、『日本の経済思想世界―「十九世紀」の企業者・政策者・知識人―』(編著、日本経済評論社、2004)、『日本経済思想史 江戸から昭和』(共著、勁草書房、2015)、A history of economic thought in Japan : 1600-1945 (joint authorship, London: Bloomsbury, 2022)など。

受講生へメッセージ

学部学生の時、日本経済史という学問を知り、19世紀世界において日本が西洋列強の植民地にならなかった事実に関心を持ちました。そして、こうした問題意識を持ちながら、大学院生になって以降、日本の近世・近代の経済思想史を勉強し、その過程で幾人かの思想家・学者、あるいは、実務的な武士や企業者などに出会いました。しかし、今にして思えば、日本経済思想史を研究したというよりも、私自身が日本経済思想史から多くのことを学んできたという方が実感に近いような気がします。クラスワークでは、そうしたことの一端をお話しし、また、史料に接することを通して、受講生の皆さんと共に近世・近代の日本列島に生きた人々の「軸」といったものに触れることができればと思っています。

修了要件

1年間で12科目以上の科目を修了することが要件となります。

  • 各科目、原則7回授業が実施されます。それぞれの科目を修了するためには、各科目2/3(5回)以上の出席と、科目によっては課題の提出が必要となります。
  • クラスワークは修了要件には含みません。
科目群 必修/選択 科目数 備考
Life Redesign科目群 必修 1科目 集中講義型科目。以下3回とも出席が必要。
1回目:4月13日(木)or 4月15日(土) 10時~17時
2回目: 9月16日(土)午前or午後、
3回目:12月16日(土)午前or 午後
選択必修 2科目 指定の4科目から2科目選択、登録上限も2科目
専門科目群
‐3つの領域‐
①Social Issues
②Liberal Arts
③Communication
必修 3科目
選択必修 1科目以上 Social Issues領域の指定の4科目から1科目以上選択、登録上限は2科目
選択 3科目以上 3領域の科目から選択
ゼミナール 必修 2科目 秋学期1科目、冬学期1科目の計2科目
原則同一講師によるゼミナールを受講
合計 12科目以上

2023年度科目一覧

科目一覧およびシラバスは適宜更新されます。
※の科目のシラバスは2022年度のものであり、2023年度のものは現在調整中です。
最新のタイムテーブルについては、次の「タイムテーブル&カレンダー」を参照してください。

科目群/領域 必修/選択 科目名 講師名
Life Redesign科目群
必修人生100年時代のためのLife Redesignを考える ~これからの人生に向けて~株式会社インソース シニア講師 蛯原 恵子
選択必修ジェロントロジー入門前田 展弘
(株式会社ニッセイ基礎研究所 上席研究員)
選択必修クリエイティブシンキング~未来社会の創造的考察~横田 幸信
(i.school ディレクター、i.lab代表取締役)
選択必修異文化コミュニケーション早稲田大学教授 花光里香
選択必修アンガーマネジメント~自分も相手もOKになる解決方法を学ぶ~早稲田大学教授 本田恵子、ほか
専門科目群/Social Issues
(社会課題)領域
必修SDGs概論~ゴール達成のための実践的思考法~SDGパートナーズ 代表取締役CEO 田瀬 和夫、ほか
選択必修持続可能な社会とNPO/NGOの役割若林 秀樹 (国際協力NGOセンター理事/THINK Lobby 所長)
選択必修SDGsとソーシャルビジネス早稲田大学教授 谷本寛治
選択必修社会貢献概論~あなたの知識と体験を生かすために~早稲田大学講師 佐々木俊介
選択必修人生100年時代における社会課題~朝日新聞Reライフプロジェクトの活動から菅原智幸、坂田一裕、田中郁也(朝日新聞社)
荒瀬克己(独立行政法人教職員支援機構理事長)
選択あなたの体験を社会貢献に生かす方法論早稲田大学准教授 岩井雪乃
選択食料・農業・農村問題入門 ~再生の道を考える~早稲田大学教授 柏雅之
選択頻発する災害に市民はいかに向き合うべきか ~災害現象への理解と基本的な備え~早稲田大学名誉教授 浦野正樹
選択課題解決に向けた事業創造プラクティス ~~リアルな社会課題、地域課題に向き合う~伊藤 淳司(NPO法人ETIC.ローカルイノベーション事業部 事業部長)
選択ケーススタディ(NPO・NGO)~NPO・NGOの理解と実務~上田 英司(日本NPOセンター 事務局次長)
選択SDGsと教育早稲田大学教授 黒田一雄
選択ジェンダー平等を考える早稲田大学教授 村田晶子、ほか
選択地方創成・地域活性化の理論と実践マニフェスト研究所事務局長/早稲田大学政治経済学術院非常勤講師 中村健
専門科目群/Liberal Arts
(教養)領域
必修アカデミックリテラシー ~学びを深めるための方法と研究を行うための基礎~早稲田大学教授 守口剛、ほか
専門科目群/Communication
(コミュニケーション)領域
必修デジタル時代の情報活用~ファクトチェックとメディア・リテラシーを学ぶ~株式会社メディアコラボ代表取締役 古田 大輔
選択国際的性格検査MBTI®を活用した自己分析アースシップ・コンサルティング 代表 松山淳
選択伝えるための言葉の技術株式会社電通 zero エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター/コピーライター 磯島拓矢
株式会社電通 クリエイティブ・ディレクター/コピーライター 橋口幸生
株式会社電通 コピーライター 阿部広太郎
選択シニアマーケティング・若者学電通 シニアラボ 研究主幹
斉藤 徹 (シニアマーケティング担当)
電通 若者研究部
小島 雄一郎 (若者学担当)
選択伝わるためのwebライティング手法 ~アウトプット技術の整理~株式会社favy執行役員CCO 齋藤尚司
選択自己表現のための現代メディア株式会社CARTA MARKETING FIRM 平賀大地
選択表現手法 (ライティング)株式会社電通 クリエイティブディレクター・コピーライター 薄景子
選択表現手法(プレゼンテーション)株式会社電通 クリエーティブディレクター/コミュニケーションプランナー 中川賢太
ゼミナール
※いずれか1つのゼミを選択
必修Social Issueゼミ1早稲田大学名誉教授 吉田徳久
必修Social Issueゼミ2早稲田大学名誉教授 和田修一
必修Liberal Artsゼミ1早稲田大学名誉教授 橋本周司
必修Liberal Artsゼミ2早稲田大学教授 守口剛
必修Liberal Artsゼミ3早稲田大学名誉教授 白木三秀
必修Communicationゼミ株式会社電通 クリエイティブディレクター/コピーライター 塚田 由佳
  • Life Redesign 科目群の選択必修科目は、4科目からいずれか2科目の受講が必要です。
  • Social Issues(社会課題)の選択必修科目は4科目からいずれか1つ以上の受講が必要です。
  • ゼミナールはいずれか1つの受講が必要です。秋学期と冬学期は同じゼミナールに所属します。
  • 科目名と担当講師は今後変更の可能性があります。

タイムテーブル&カレンダー

2023年度の各科目のタイムスケジュールとカレンダーは以下のPDFファイルにて確認してください。
ただし、以下のファイルは掲載日現在の情報であり、更新の可能性があります。

受講方法について

LRCの授業は対面を前提に、原則として教室で実施します。ただし、社会情勢や講座の内容および講師やヒアリング先の都合等により、ZOOMを活用したオンライン形式やオンデマンド形式で実施する場合があります。実施方法の詳細は、各科目のシラバスページにて確認してください。

受講に際して本学のLearning Management SystemであるWMoREを活用して授業を運営します。WMoREの活用方法としては、授業で必要となる資料の事前ダウンロード、課題の提出、講師と受講生のコミュニケーション、科目に関するアンケート等を想定しています。また、WMoREではご自身が受講された科目や受講中の科目について確認することもできます。WMoREの詳細は、新入生オリエンテーションで説明します。