専門科目群/Social Issues(社会課題)領域
科目名 | ジェンダー平等を考える |
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講師名 | 早稲田大学教授 村田晶子、ほか |
学期 | 秋学期 |
曜日 | 火曜日 |
時間 | 16時40分~18時10分 |
日程 | 10月3日、10月10日、10月24日、10月31日、11月14日、11月21日、11月28日(補講日:12月5日) |
講義概要
「ジェンダー」とは、文化的・社会的・歴史的につくられた性のありようを考える重要な概念です。
今日では、誰にとっても生きやすい社会を創り出すため、世界中で人びとを「男」「女」に二分し、かつ両者の不均衡な関係を永続化させてきた性別編成体制を問うことが不可欠です。
現代を生きる人々は多かれ少なかれジェンダーに関する情報に触れてきていますが、それぞれのジェンダーに関する理解の範囲や深度は、教育を含むそれぞれの人生における過程や経験により様々です。
この講義では、専門領域を異にする講師がそれぞれの角度からジェンダーに関して授業を行い、受講生とともに多角的な面から考え合う機会をもちます。
授業を通じて、自らのジェンダー観を見つめなおし、ジェンダーに関する多角的な知見を得る、あるいは再認識することで、人生100年時代における多世代間および異文化間の交流やコミュニティ形成に有益なジェンダー・コンシャスな思考を得ることができます。
受講を通して得られるもの
ジェンダー・コンシャスな思考
ジェンダー・イデオロギーに縛られない柔軟なスタンス
セクシュアリティに関する知識
受講の際の注意事項
受講前に必要となる知識・準備 | 不要 |
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グループワーク | あり |
課題 | なし |
その他 | 若い世代の学生たちはジェンダー、セクシュアリティについて大学で学ぶ機会を得ています。しかし、そうしたことについて学ぶ機会が少なかったおとなの方たちに、ご自身や周りの人のこれからの生き方を豊かにしていくために学び意見交換する機会を作りました。ぜひご一緒に学びましょう。 |
各回の講義予定
回 | テーマ | |
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概要 | ||
第1回 | テーマ:イントロダクション 「ジェンダー」とは何か | 講師:村田晶子、弓削尚子 |
この講義では、領域を異にする教員がそれぞれの角度からジェンダーに関して授業を行います。授業を通じて、自らのジェンダー観をみつめなおしていくために、第1回は、ジェンダーに関する知見を提示する。 | ||
第2回 | テーマ:法律とジェンダー | 講師:石田京子 |
この講義では、法律についてジェンダーの視点から検討します。多数決原理で国会において定められる法律には、ジェンダーの視点からはどのような問題点があるでしょうか。また、問題点を克服するにはどのようなことが必要でしょうか。皆さんと一緒に考えていきたいと思います。 | ||
第3回 | テーマ:海外からみる日本のジェンダー | 講師:ゲイ・ローリー |
主に欧米を中心にした海外からみる日本のジェンダー、特にジェンダーのステレオタイプを16世紀から21世紀までたどり、その意義について考える。 | ||
第4回 | テーマ:LGBTを読みとく | 講師:森山至貴 |
性の多様性についての基礎知識と現代的な論点について学ぶ。 | ||
第5回 | テーマ:スポーツとジェンダー | 講師:山田ゆかり |
「スポーツとジェンダー」を現場の状況、時事的課題を見据えながら受講者といっしょに考えてみたい。 ・身近な振り返り…体育の授業、部活での経験 ・イメージ、らしさ、コンプレックス…競技結果より見栄え(ウエア、メディア) ・TGアスリートの課題…形態的、機能的、体力的について男女の相違 ・スポーツ界の常識は社会の非常識…スポーツ界のセクシュアルハラスメントの構造 ・これからのスポーツ界…タイトルⅨ(1972年米国発令法律) | ||
第6回 | テーマ:教育とジェンダー | 講師:村田晶子 |
学校、社会、家庭の各領域において営まれている教育活動を、ジェンダーの視点からとらえ返し、そこに内在する問題を共同で検討していく。 | ||
第7回 | テーマ:授業の総括と意見交換会 | 講師:村田晶子 |
6回までの講義を通して、どのようなことに気づいたか、また、ジェンダー平等な日本社会を作るために今後どのようなテーマに取り組んでいきたいか、意見交換をする。 |
講師紹介
- 村田晶子
- 早稲田大学文学学術院教授、早稲田大学ジェンダー研究所所長
主な編著書に、『「おとなの女」の自己教育思想 国立市公民館女性問題学習・保育室活動を中心に』(村田晶子、社会評論社、2021)、『ジェンダーのとびらを開こう 自分らしく生きるために』(村田晶子・森脇健介・矢内琴江・弓削尚子、大和書房、2022)『なぜジェンダー教育を大学でおこなうのか : 日本と海外の比較から考える』(村田晶子・弓削尚子編著、青弓社、2017)、『ジェンダー研究/教育の深化のために : 早稲田からの発信』(小林富久子・村田晶子・弓削尚子編著、彩流社、2016)
- 弓削尚子
- 早稲田大学法学学術院教授、早稲田大学ジェンダー研究所所員
主な編著書に、『はじめての西洋ジェンダー史:家族史からグローバル・ヒストリーまで』(弓削尚子、山川出版社、2021)、『ジェンダーのとびらを開こう 自分らしく生きるために』(村田晶子・森脇健介・矢内琴江・弓削尚子、大和書房、2022)『なぜジェンダー教育を大学でおこなうのか : 日本と海外の比較から考える』(村田晶子・弓削尚子編著、青弓社、2017)、『ジェンダー研究/教育の深化のために : 早稲田からの発信』(小林富久子・村田晶子・弓削尚子編著、彩流社、2016)
- 石田京子
- 早稲田大学法学学術院教授、早稲田大学ジェンダー研究所所員
東京工業大学社会理工学研究科学術修士(M.A.)、University of Washington, LL.M (法学修士)、University of Washington, Ph.D(法学博士)。
弁護士などの法律専門職の行為規範(法専門職倫理)および、法専門職、司法に関する法社会学的研究を行っています。司法制度や法専門職についてのジェンダーの視点からの研究も行っています。
- ゲイ・ローリー
- 早稲田大学法学学術院教授、早稲田大学図書館長、早稲田大学ジェンダー研究所所員
1960年、オーストラリア生まれ。1984年オーストラリア国立大学アジア研究学部卒業、1987年日本女子大学日本文学研究科博士課程前期課程終了後、英国ケンブリッジ大学東洋学部で勉強、1995年同大学博士号取得。2001年に早稲田大学法学部助教授を経て現在法学学術院教授。専門は日本文学、特に『源氏物語』受容史および女性史。主な著書にYosano Akiko and The Tale of Genji(2000年)、Autobiography of a Geisha (増田小夜著『芸者 苦闘の半生涯』1957年刊の英訳、2003年)、The Female as Subject: Reading and Writing in Early Modern Japan(共編著、2010年)、An Imperial Concubine’s Tale: Scandal, Shipwreck, and Salvation in Seventeenth-Century Japan(2013年)、In the Shelter of the Pine: A Memoir of Yanagisawa Yoshiyasu and Tokugawa Japan(正親町町子著『松陰日記』の英訳、2021年)などがある。
- 森山至貴
- 早稲田大学文学学術院准教授、早稲田大学ジェンダー研究所所員
1982 年神奈川県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程単位取得満期退学。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻助教、早稲田大学文学学術院専任講師を経て、現職。専門は 、社会学 、クィア・スタディーズ 。 著書に『「 ゲイコミュニティ」の社会学』(勁草書房)、『LGBT を読みとく―クィア・スタディーズ入門』(ちくま新書)、『10 代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」』『10 代から知っておきたい 女性を閉じこめる「ずるい言葉」』(いずれもWAVE出版)。
- 山田ゆかり
- スポーツライター、早稲田大学ジェンダー研究所招聘研究員
一般社団法人飛騨シューレ代表理事、津田塾大学非常勤講師、津田塾大学国際関係研究所客員研究員。94~97年インディアナ州立ボール大学・ジョージア州立大学訪問研究員を経て、 こどもとスポーツ、女性とスポーツを主な視点として活動を行っている。著書『女性アスリートコー チングブック』『子どもとスポーツのイイ関係』、訳書『スポーツヒーローと性犯罪』、監訳『女性・ スポーツ大事典』、共訳『虚構という名のオリンピック』『THE GIRLS』など。