シラバス

Life Redesign科目群

科目名 ジェロントロジー入門~人生100年時代の基礎知識~
講師名 前田 展弘
(株式会社ニッセイ基礎研究所 上席研究員)
学期 夏学期
曜日 土曜日
時間 14時50分~16時20分
日程 7月1日、7月8日、7月22日、7月29日、8月5日、8月26日、9月2日
(補講日:9月9日)

講義概要

ジェロントロジー(老年学)は、エイジング(Aging)、つまり「個人の加齢」と「社会の高齢化」が研究対象です。高齢期の生活課題、社会の高齢化課題の「解決」を目指す課題解決型の総合的学問です。人生100年時代を背景に、長寿の人生及び高齢期の生活に対する関心が高まっていますが、おそらく多くの方は将来に対して希望よりも「不安」を抱かれている状況にあるのではないでしょうか。しかし、ジェロントロジーはエイジングをポジティブに捉えます。これから高齢期を迎える方にとって、ジェロントロジーを学ぶことは、そうした不安を「希望」に変える機会になると考えます。ジェロントロジーがカバーする範囲は極めて広いですが、本講義ではこれから後半人生を歩まれる皆様(個人)に焦点をあてて、様々な研究エビデンスはもちろん、関連する政策、地域及び企業の最新動向等も取り入れながらぜひ知っておいていただきたいエッセンスをお伝えしていきます。

受講を通して得られるもの

高齢者及び高齢期の生活をより客観的に理解することができます。
高齢期の諸問題(健康、認知症、就労・活躍、お金等)について実情と対策を理解できます。
超高齢社会の最新動向(政策、地域、企業等の動向)について把握することができます。
ジェロントロジストとなり、超高齢社会をリードできる人財になれます。

受講の際の注意事項

受講前に必要となる知識・準備 不要
グループワーク なし
課題 なし

各回の講義予定

テーマ
概要
テーマ:ジェロントロジー総論~高齢期の総合的理解
ジェロントロジーとは?人生100年時代のサクセスフル・エイジングの考え方、高齢者の生活課題とニーズ、ライフデザインの描き方など
テーマ:高齢者の多面的理解~様々な加齢変化の実態
寿命と老化、加齢に伴う身体面、知能面、心理面、社会関係等の変化の実態、高齢者に見られる特徴、健康長寿の秘訣など
テーマ:高齢者の就労問題~生涯現役に向けて
日本の労働市場の変化、高齢者の就労実態、生涯現役社会の実現に向けたアクションリサーチと政策、「貢献寿命」延伸に向けたプロジェクトなど
テーマ:高齢者の経済環境~長生きリスク対策
高齢者の家計・消費実態、貧困・格差の実態、年金制度の行方、高齢期にかかる様々な費用(住まい、介護、葬儀・お墓、各種サービス等)など
テーマ:認知症対策と金融ジェロントロジー
認知症の理解、認知症に関連する政策及び社会の動向、金融ジェロントロジーとは、認知判断能力が低下したときの諸問題など
テーマ:超高齢社会の政策と市場
高齢社会対策の政策(高齢社会対策大綱~地域包括ケアシステムなど)、高齢者市場の実態・捉え方、企業のシニアシフトの最新動向(高齢者向け商品サービス)など
テーマ:超高齢未来の課題と期待
本格的な超高齢化が進む日本の未来の姿(2025~50年頃の未来予測データ等)、本講義のまとめ

講師紹介

前田展弘の画像
前田展弘
㈱ニッセイ基礎研究所 ジェロントロジー推進室 上席研究員 東京大学高齢社会総合研究機構、未来ビジョン研究センター 客員研究員  慶応義塾大学ファイナンシャル・ジェロントロジー研究センター 訪問研究員

1994年早稲田大学商学部卒業。2004年よりニッセイ基礎研究所。東京大学高齢社会総合研究機構(IOG)客員研究員、慶応義塾大学ファイナンシャル・ジェロントロジー研究センター訪問研究員、未来社会共創センター理事等を兼任。専門は「ジェロントロジー」、とりわけ「生涯現役社会」にかかる研究がライフワーク。東京大学IOGの創設メンバーであり、これまで高齢化課題解決に向けた様々な研究及び事業(千葉県柏市生きがい就労事業、高齢社会検定試験事業等)を手がけてきている。主な著書に「東大がつくった高齢社会の教科書」(東大出版会2017年)などがある。