シラバス

Life Redesign科目群

科目名 アンガーマネジメント~自分も相手もOKになる解決方法を学ぶ~

講師名 早稲田大学教授 本田恵子、ほか
学期 秋学期
曜日 土曜日
時間 13時~14時30分
日程 10月7日、10月14日、10月28日、11月4日、11月18日、11月25日、12月2日
(補講日:12月9日)

講義概要

成人期は自我が完成され、感情、考え方、行動などが定着しています。人生の達成感は職業での達成感と関連していることが多く、退職後のキャリア形成がシニア層にとって重要な意味を持ってきます。一方で、脳の機能は衰えていくため「理想」と「現実」にギャップが出始めます。できるはずのことが思うようにできなかったり、イライラしやすかったり焦燥感が襲ったり、ということも起こります。気持ちや意欲は高いのに、計画を立てる思考力や実践するスキルが衰えてくるためです。また、自分の経験では最適だと思うことが、子どもや孫の世代には合わないこともあり、アドバイスが否定や批判されることもでるでしょう。
 この講座では、アンガー状態を脳の機能との関係で理解し、自分の気もちを適切な方法で表現したり、状況をプラスに捉えていくコツを学びます。自分のアンガーマネージメントを学ぶことで、家族や同僚、部下等との関係の改善に役立てていけるよう、講義と演習を組み合わせていきます。

受講を通して得られるもの

1.自分自身のアンガーマネージメントについて学びます。シニア時代、特有のメンタルヘルス含む
2.具体的なアンガーマネージメントの方法を学び、演習します。
3.感情のコントロールが難しい相手と接する際に、上手に対応する方法を学びます。
4.「言い争い」を「話し合い」に変える方法を学びます。
5.自分も相手もOKになる、解決方法を学びます。

受講の際の注意事項

受講前に必要となる知識・準備 必要(毎回の宿題ページを読んで、ワークをしておいてください。)
グループワーク あり
課題 あり(講義で学んだスキルを日常生活で実践して記録します)

各回の講義予定

テーマ
概要
第1回テーマ:アンガーマネージメント講師:本田恵子
(理解)脳のメカニズムの理解、シニア時代に特有のうつ、や感情の変化の理解
(作業)「気持ちのモニター」「SOSのサイン」「ストレスマネージメントの練習」
第2回テーマ:状況のとらえ方と行動の影響講師:本田恵子
(理解)キレやすい考え方、マイナス思考がなぜ生じるのかの理解と対応
(作業)「自分の考え方のチェックシート」「人格を作っている中核信念」の理解
第3回テーマ:「キレやすい場面」における対応1講師:大嶋美加
(理解)自分でできること1:セルフトークの理解 
(作業)「場面別にセルフトークのカードを選ぶ」
第4回テーマ:「キレやすい場面」における対応2講師:大嶋美加
(理解)自分にできること2:「私メッセージ」と「受動的な聞き方」の理解
(作業)「私メッセージ」を作ってみる 「私メッセージ」と「受動的な聞き方」の演習
第5回テーマ:「キレやすい場面」における対応3講師:鈴村眞理
(理解)相手がキレそうな場面での話し方の理解
(作業)家族とのコミュニケーション演習
第6回テーマ:「キレやすい場面」における対応4講師:鈴村眞理
(作業)様々な場面における「話し合い」の演習
第7回テーマ:まとめ:これからの対人関係への準備講師:本田恵子
(作業)「自分自身のレスキューノート」を作成する

講師紹介

本田 恵子
早稲田大学 教育・総合科学学術院 教授

中高の教員経験の中、学校カウンセリングの必要性を感じて渡米、コロンビア大学大学院にて、カウンセリング心理学博士号を修得。スクールカウンセラー、玉川大学人間学科助教授を経て、現職。
専門は、学校心理学、特別支援教育、矯正教育。子どもの課題を学習、心理社会、身体の状態から包括的に見立て、学校、家庭、地域と連携しながら健全に育成する「包括的スクールカウンセリング」や矯正教育施設でのアンガーマネージメントプログラムの立案、実践を行っている。
 主な著書に、「親子のアンガーマネージメント」「発達障害のある子どものためのアンガーマネージメント」「保健室のアンガーマネージメント」「コロナ時代の教育の在り方」等がある。

鈴村 眞理
公認心理師 臨床心理士 早稲田大学教育学部 非常勤講師

臨床心理士として 精神科、心療内科で個人心理療法、集団療法に携わった後、現在は、東京都公立学校スクールカウンセラーとして公立小・中学校に勤務している他、早稲田大学教育学部非常勤講師として教育相談関連の科目を担当しています。

大嶋 美加
スクールカウンセラー

早稲田大学教育学研究科卒業。大学院時代に、小中学校にてアンガーマネージメントプログラムの実践、効果研究を行う。
卒業後は、早稲田大学教育総合クリニックにて小学生アンガーマネージメントグループの活動や、感情のコントロールが苦手な児童、保護者相談を行う。また、アンガーマネージメント研究会主催の研修会の講師も務めており、現在は小中学校のスクールカウンセラーとして、児童や保護者の相談、教員へのコンサルテーション等を行っている。
公認心理師。臨床発達心理士。