シラバス

専門科目群/Social Issues(社会課題)領域

科目名 人生100年時代における社会課題~朝日新聞Reライフプロジェクトの活動から
講師名 菅原智幸、坂田一裕、田中郁也(朝日新聞社)
荒瀬克己(独立行政法人教職員支援機構理事長)
学期 春学期、夏学期
曜日 土曜日(クラスワークの無い週)
時間 10時30分~12時00分
日程 【春学期】5月13日、5月27日、6月10日(補講日:6月24日)
【夏学期】7月8日、7月29日、8月26日(補講日:9月9日)

講義概要

本講義は、50代以上を対象とした1万3千人規模のコミュニティーとWEBサイト「Reライフ.net」を運営している朝日新聞Reライフプロジェクトが、日々の活動を題材に、長寿社会が直面する課題に焦点を当て展開します。最初にオリエンテーションとして現代のアクティブシニア像を把握した上で、2025年に700万人がなるとされる「認知症」や、いま話題の「腸活」、「シニアDX(デジタルトランスフォーメーション)」、それに連なる「リカレント教育」について考察していきます。本講義では、50代以上のシニア世代が直面する様々な課題と解決のための方法論を整理しながら、自分事として考えていく機会を提供します。

受講を通して得られるもの

VR(バーチャルリアリティ)体験などを通じて、認知症を「自分事」として考える機会を提供します。
「脳腸相関」といった最前線の話題を学ぶことで、生活意識が変わります。
DX(デジタルトランスフォーメーション)がシニアのライフスタイルをどう変えていくのか。光と影について学びます。
生涯に渡って学び続ける姿勢や考え方について知ることができます。

各回の講義予定

テーマ
概要
第1回テーマ:オリエンテーション講師:菅原智幸
人生100年時代の少子高齢化社会において、世の中の動きを牽引し続けるアクティブシニアとは。朝日新聞Reライフプロジェクトが実施した「Reライフ白書」を題材に、現代のアクティブシニア像を浮き彫りにします。全6回にわたる本講義の全体像についても解説します。
第2回テーマ:認知症フレンドリー講座①講師:坂田一裕
認知症や介護の課題を報道機関の視点から考えていきます。朝日新聞社が独自開発した認知症VR(バーチャルリアリティー)のテクノロジーなどを使って、ご本人が見えている世界を疑似体験します。認知症とともに生きる人に思いを寄せ、ともに暮らす「認知症フレンドリー社会」について考えるきっかけを提供します。
第3回テーマ:認知症フレンドリー講座②講師:坂田一裕
私たちは認知症のある本人とどのように向き合っていけばいいのか。本人インタビューやミニムービーの視聴を中心に、その思いや考えを知ります。一般的な技術論ではなく、向き合う際の気持ちのあり方や心の用意について考えます。加えて、認知機能が低下してくるより先に、嗅覚に変調をきたす場合があるという症状を知るため「嗅覚同定能力テスト」という体験型イベントも実施します。
第4回テーマ:人生100年時代と「腸活」講師:田中郁也
人生100年時代、健康長寿をさらに進めていくために、「腸活」が注目されています。では実際、日々の食事と腸や腸内細菌はどんな関係にあるのでしょうか。長寿村の特徴的な食事はなにか。免疫力と腸との密接な関わり、腸と脳とが連鎖する「脳腸相関」とは。近年の研究成果などを紹介しながら、腸活ブームの背景をひもときます。
第5回テーマ:「シニアDX」の光と影講師:田中郁也
この10年余りのデジタル技術の革新で社会の仕組みは大きく変わり、シニア・Reライフ世代にも影響が及んでいます。DX=デジタルトランスフォーメーションとは一体なにか。どう活用し、何に注意すべきか。人工知能の進化やソーシャルメディアの発展、それに伴うフェイクニュースの広がりなど、その功罪と必要な対応策を解説します。
第6回テーマ:新リカレント教育論~あしたを楽しむ探究のすすめ~講師:荒瀬克己
探究とは、「用意された答え」がない「問い」に対して正しいと思われる「答え」を導き出すこと。「問い」を立てるのは自分自身です。時間を重ねても、人はいつまでも未熟。自分を知り、楽しく生きるための学び方について考えます。短時間ですが、グループワークも実施します。

講師紹介

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菅原智幸
朝日新聞社メディア事業本部Reライフプロジェクトビジネスプランナー

1990年朝日新聞社入社。広告局の営業畑が長く、薬品、旅行、航空、金融、情報通信業界など様々な企業を担当。その他、社長室、マーケティング政策室など社内他部署や、テレビ朝日、朝日エージェンシーなどグループ企業への出向も経験。大阪本社広告第1部長、知的財産室長補佐を務めた。20年1月より現職。読者コミュニティーと連携した新事業の創出を担当。

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坂田一裕
朝日新聞社メディア事業本部プロデューサー

1993年朝日新聞社入社。朝日新聞、週刊朝日編集部で記者・編集者を経て、新規事業を担当するメディアラボ、総合プロデュース本部で健康医療領域の事業創出を担当。近年は、「認知症・介護・高齢者問題」をテーマに取り組み、創刊140周年記念事業の「認知症フレンドリープロジェクト」提案メンバー。

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田中郁也
前朝日新聞社総合プロデュース本部Reライフプロジェクト主査

1982年朝日新聞社入社。経済部、アジア総局(バンコク)、アエラ編集部、科学医療部、GLOBE編集部の記者、編集委員(デジタル・先端技術担当)、中国・清華大学高級訪問学者(客員教授)などを歴任。共著に「市場経済の風景」(朝日新聞社)、「失われた20年」(岩波書店)など。Reライフプロジェクトでは、医療・健康情報や社会福祉、Reライフ白書などの企画、編集、記事執筆を担当。

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荒瀬克己
独立行政法人教職員支援機構理事長

京都市立伏見工業高校・堀川高校の国語科教諭、京都市教育委員会指導主事を経て、1998年4月堀川高等学校教頭、2003年4月同校校長。2012年4月京都市教育委員会教育企画監。2014年4月大谷大学文学部教授、同年4月国立高等専門学校機構監事(非常勤)、2019年4月兵庫教育大学理事(非常勤)、2020年4月関西国際大学学長補佐。2021年4月より現職。