シラバス

専門科目群/Social Issues(社会課題)領域

科目名 食料・農業・農村問題入門~再生の道を考える~
講師名 早稲田大学教授
柏雅之
学期 秋学期
曜日 木曜日
時間 14時45分~16時15分
日程 10月6日、10月13日、10月27日、11月17日、11月24日、12月1日、12月8日、12月15日(補講日)

講義概要

この講義では、世界的視野からの考察を踏まえて、日本の食、農、農村の諸問題と再生の道について考えていきます。SDGsが大きな世界的課題となる中で、これらの再生は欠かせません。ここでは、まず世界の食料と農業の問題点を紐解くことからはじめ、日本におけるその再生の道に焦点を当てて講義していきます。内容としては、①世界の食料と農業問題、②農業と環境問題、③日本の食・農・農村問題の基礎、④日本農業再生と担い手問題、⑤持続可能な農村の創生、⑥フードシステムの革新と「6次産業化」「農商工連携」というものとなります。いのちを育む「食」、食を生む「農」、農の空間としての「農村」。その持続的再生のあり方を考えていきます。

受講を通して得られるもの

(1)世界の食料問題と現代農業の問題点とを読み解くことができるようになる。
(2)日本の食・農・農村のかかえる問題点を読み解くことができるようになる。
(3)日本農業再生のための理論と方法について理解できるようになる。
(4)フードシステム革新の道に関して考えていく基礎を理解できるようになる。
(5)持続可能な農村再生の理論と方法について理解できるようになる。

受講の際の注意事項

受講前に必要となる知識・準備 不要
グループワーク なし
課題 なし
その他 12月1日(第6回)の講義はオンライン形式(ZOOM)にて実施。

各回の講義予定

テーマ
概要
第1回テーマ:世界の食料・農業問題を読み解く
今世紀、世界は農産物の過剰から逼迫の時代へと入ったのか?
世界の「食」を支える現代農業は持続可能なのか?
第2回テーマ:日本農業のながれと今後の課題
日本農業の歴史的ながれを読み解く
第3回テーマ:日本農業の実情を読み解く
日本農業の実情、そして構造改革のあり方を考える。
第4回テーマ:日本農業変革の論理と方法
農業の担い手問題はどうあるべきか~大規模個別経営か集落営農か~
第5回テーマ:中山間地域の農業と農村の再生
過疎・高齢化の進行する中山間地域をどのように守るか
第6回テーマ:持続的な農村再生と地域経営
農村の地域経営とは何か。地域経営の担い手システムを考える。
第7回テーマ:フードシステムの変革とその担い手
クローズアップされてきた理由とは。6次産業化と農商工連携の束ね役としてのJAや自治体の役割り。

講師紹介

柏 雅之
早稲田大学人間科学学術院教授

早稲田大学人間科学学術院教授。東京大学大学院修了(農学博士)。茨城大学教授、東京農工大学大学院教授(連合農学研究科)、バーミンガム大学客員研究員、ロンドン大学(インペリアルカレッジ)客員研究員などを経て現職。東京農工大学21世紀COEプログラム「新エネルギー・物質代謝と『生存科学』の構築」サブリーダー、日本国際賞(Japan Prize)選考委員、食料・農業・農村政策審議会専門委員などを歴任。著書に『現代中山間地域農業論』(御茶の水書房、1994年)、『条件不利地域再生の論理と政策』(農林統計協会、2002年)、編著書に『地域再生の論理と主体形成―農業・農村の新たな挑戦―』(早稲田大学学術叢書54、早稲田大学出版部、2019年)など。