専門科目群/Social Issues(社会課題)領域
| 科目名 | 日本の課題を読み抜く~個人はどう向き合うか~ |
|---|---|
| 講師名 | 宮本弘曉(一橋大学教授) ほか モデレーター/川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長) |
| 年度 | 2026年 |
| 学期 | 春学期、夏学期 |
| 曜日 | 土曜日(クラスワークの無い週) |
| 時間 | 10時30分~12時00分 |
| 日程 | 【春学期】4月25日、5月16日、6月6日(補講日:6月20日) 【夏学期】7月18日、8月22日、9月5日(補講日:9月19日) |
講義概要
1話10分の動画で学ぶ教養講座・テンミニッツ・アカデミー(運営:イマジニア株式会社)の講師陣が、それぞれの専門テーマにもとづき、日本が直面する課題について、対面講義で深く読み解いていきます。
財政問題、宗教問題、日中対立と緊迫する東アジア、社会道徳、日本人のあり方……。日本は文字通り「課題先進国」ですが、それゆえ、課題への向きあい方次第では、世界に先駆けて大きく貢献することができます。今回、本講で取り上げる諸課題は、本来、すべての日本人にとって「自分事」でなくてはならないものでしょう。
しかし、正しく「自分事」として捉え、「自分事」として行動していくためには、問題の「本質」を理解する必要があります。「本質」を正しく理解するためには、各テーマについて「真のエキスパート」の話に触れることが肝要です。本科目では、それぞれのテーマに深く迫り、それぞれがその課題にどう向き合うのかを考えるきっかけを提供します。
受講を通して得られるもの
・日本が直面する諸課題の「本質」がどこにあるかを理解します。
・さまざまな「諸課題」を並列して学ぶことで、問題のありかを構造化して考えます
・さまざまな社会課題に自分自身がどう向き合うのかについての意識が変わります
受講の際の注意事項
| 受講前に必要となる知識・準備 | 不要 |
|---|---|
| グループワーク | なし |
| 課題 | なし |
| その他 | ■各回、聞き手(モデレーター)付の講義となります。(いずれも質疑応答はあります) ■本科目は1話10分の教養動画メディア:テンミニッツ・アカデミー提携講座のため、録画のうえ、テンミニッツ・アカデミーで後日配信されます。 ■受講生個人が特定できるような構図での撮影は致しません。 ■質疑応答部分を講義にて配信する場合についても、質問者個人が特定できるかたちには致しません(原則として質問の動画や音声は使いません⇒質問内容をテキスト表示にしてテンミニッツ・アカデミーの該当動画にアップし、その後に講師の先生が回答している動画を流します)。 |
各回の講義予定
| 回 | テーマ | |
|---|---|---|
| 概要 | ||
| 第1回 | テーマ:日本の財政は破綻するのか――財政と税制の真実 | 講師:宮本 弘曉 |
| 日本の財政問題に警鐘が鳴らされ続けています。その一方で、「破綻なんかしないではないか」「まだまだ大丈夫だ」という議論もなされます。本当のところはどうなのでしょうか。財政問題が、いかに日本の経済の足を引っ張ってしまうのか。そして、これからの日本にとってあるべき税制の姿とは。データで解き明かします。 | ||
| 第2回 | テーマ:仏教とキリスト教が照らしだす日本の宗教 | 講師:橋爪 大三郎 |
| 世界の文明を理解するには、宗教の理解がカギとなります。そしてとりわけ、日本の社会や文化を読み解き、自らのあり方や人生の行く末をありありと見つめるのにも、宗教がまず入り口となります。今回の講義は、誤解まみれの仏教の真の姿を軸に、想像を絶するキリスト教の信仰を補助線として、日本人のあやふやな信仰の実際をみつめます。 | ||
| 第3回 | テーマ:地政学入門~東アジア編 | 講師:小原 雅博 |
| 東アジアには、米中の覇権争い、中国による台湾への軍事的威圧、北朝鮮の核ミサイル開発、南シナ海の領有権争いなど、地域の平和と安全を揺るがす恐れのあるフラッシュ・ポイントが少なくありません。歴史が色濃く影を落とす東アジアの地政学リスクや、大国の戦略について、地図も参照しつつ、その論点を整理します。 | ||
| 第4回 | テーマ:日中対立を哲学的に考える | 講師:中島 隆博 |
| 日中対立が、大きな影を投げかけています。しかし日々の表面的なニュースを追うだけでは、両国の対立の淵源を正しく捉えることはできません。日本と中国に、いかなる哲学的な相違があるのか。お互いの哲学的な課題とは何なのか。知識人たちはどう見ているのか。中国の哲学者とも深い交流を築いている中島先生が考究します。 | ||
| 第5回 | テーマ:道徳の起源と「自意識」 | 講師:長谷川 眞理子 |
| 動物たちに自意識はあるのか――。西洋哲学では「自意識があるのは人間だけ」と考えられてきました。しかし生物の自意識をチェックする実験では、驚くような結果が出はじめています。そもそも「自意識」と「道徳」はどのように影響しあうものなのか。「社会と私」を考えるうえで大切なヒントを、動物たちの世界に求めてみます。 | ||
| 第6回 | テーマ:山本七平の「日本人論」と現代日本 | 講師:與那覇 潤 |
| イザヤ・ベンダサン名義の『日本人とユダヤ人』をはじめ、『空気の研究』『私の中の日本軍』『日本教徒』『現人神の創作者たち』などの名著で、日本の本質を抉り続けた山本七平。その論考は、定義なしに「日本人ファースト」が叫ばれる今の時代にいかに響くのか。彼が活躍した半世紀前との異同も検討しつつ、令和の日本人論を考えます。 | ||
講師紹介
- 宮本 弘曉
- 一橋大学経済研究所教授
1977年生まれ。一橋大学経済研究所教授。慶應義塾大学経済学部卒業、米国ウィスコンシン大学マディソン校にて経済学博士号取得(Ph.D.in Economics)。国際大学学長特別補佐・教授、東京大学公共政策大学院特任准教授、国際通貨基金(IMF)エコノミスト、東京都立大学教授を経て現職。専門は労働経済学、マクロ経済学、日本経済論。
主な著書に、『101のデータで読む日本の未来』『51のデータが明かす日本経済の構造』(以上、PHP新書)、『日本の財政政策効果』(日経BP)、『一人負けニッポンの勝機』(ウェッジ)、『私たちの日本経済』(有斐閣)などがある。
- 橋爪 大三郎
- 社会学者/東京科学大学名誉教授/大学院大学至善館教授
1948年生まれ。社会学者。東京科学大学名誉教授。大学院大学至善館教授。
主な著書に、『世界がわかる宗教社会学入門』(ちくま文庫)、『はじめての聖書』(河出文庫)、『ゆかいな仏教』(大澤真幸氏との共著。サンガ新書/三笠書房知的生き方文庫)、『鎌倉仏教革命』(サンガ新社)、『ふしぎなキリスト教』(大澤真幸氏との共著。講談社現代新書)、『ほんとうの法華経』(植木雅俊氏との共著。ちくま新書)、『あぶない中国共産党』(峯村健司氏との共著。小学館新書)、『権力』(岩波書店)、『アメリカの教会』(光文社新書)、『丸山眞男の憂鬱』『小林秀雄の悲哀』(講談社選書メチエ)など。
- 小原雅博
- 東京大学名誉教授
博士(国際関係学)。1955年生まれ。1980年、東京大学文学部卒業後、外務省入省。2015年まで、外務省勤務。2015年より東京大学大学院法学政治学研究科教授。2021年より東京大学名誉教授。
著書に、『外交とは何か』(中公新書)、『戦争と平和の国際政治』(ちくま新書)、『国益と外交』(日本経済新聞出版社)、『コロナの衝撃』[岡倉天心学術賞]、『チャイナ・ジレンマ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『日本の国益』(講談社現代新書)、『大学4年間の国際政治学が10時間でざっと学べる』(改訂版、Kadokawa)『日本走向何方』(中信出版社〈中国語〉)『日本的選択』(上海人民出版社〈中国語〉)など。
- 中島 隆博
- 東京大学東洋文化研究所教授
1964年生まれ。東京大学法学部卒業、東京大学大学院人文科学研究科中国哲学専攻博士課程中途退学。中国哲学・世界哲学研究者。東京大学大学院総合文化研究科准教授、東京大学東洋文化研究所准教授を経て、2014年より東京大学東洋文化研究所教授。著書に、『共生のプラクシス―国家と宗教』(東京大学出版会、第25回和辻哲郎文化賞)、『人の資本主義』(東京大学出版会)、『中国哲学史』(中公新書)、『荘子の哲学』(講談社学術文庫)など。
- 長谷川 眞理子
- 総合研究大学院大学名誉教授/日本芸術文化振興会理事長
1952年生まれ、東京都出身。専攻は行動生態学、進化生物学。1976年、東京大学理学部(生物学科)卒業。1983年、東京大学大学院理学系研究科人類学専攻博士課程修了(理学博士)。1980年、国際協力事業団派遣専門家(タンザニア野生動物局)。東京大学理学部生物学科助手(人類学教室)、専修大学法学部教授、早稲田大学政治経済学部教授、総合研究大学院大学教授などを経て、2017年より総合研究大学院大学長。2023年、日本芸術文化振興会理事長。著書に『自然人類学者の目で見ると』(青土社)、『ヒトの原点を考える』(東京大学出版会)、『私が進化生物学者になった理由』(岩波現代文庫)、『美しく残酷なヒトの本性』(PHP新書)など。
- 與那覇 潤
- 評論家
1979年、神奈川県生まれ。2007年、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。専門は日本近現代史。2007年から地方公立大学准教授として教鞭をとった後、病気離職。
著書に『翻訳の政治学』(岩波書店)、『帝国の残影』(NTT出版)、『中国化する日本』(文春文庫)、『日本人はなぜ存在するか』(集英社文庫)、『過剰可視化社会』(PHP新書)、『荒れ野の六十年』(勉誠出版)、『平成史』『江藤淳と加藤典洋』(文藝春秋)、『知性は死なない(増補版)』(文春文庫)、『危機のいま古典を読む』ほか多数。共著に『「日本史」の終わり』(PHP文庫)、『日本の起源』(太田出版)、『史論の復権』(新潮新書)、『長い江戸時代のおわり』『教養としての文明論』(ビジネス社)ほか多数。
2020年、斎藤環氏との共著『心を病んだらいけないの?』(新潮選書)で小林秀雄賞。
- 川上 達史(モデレーター)
- テンミニッツ・アカデミー部長兼編集長(イマジニア株式会社)
1993年、中央大学法学部政治学科卒業後、PHP研究所に入社。月刊誌『Voice』副編集長、月刊誌『歴史街道』副編集長、PHP新書編集長などを歴任。2019年、イマジニア株式会社に入社、現職。
