専門科目群/Social Issues(社会課題)領域
科目名 | 持続可能な社会とNPO/NGOの役割~地域共生社会におけるボランティア・市民活動を考える |
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講師名 | 森 純一(東京ボランティア・市民活動センター副所長)他 |
年度 | 2025年 |
学期 | 冬学期 |
曜日 | 木曜日 |
時間 | 16時40分~18時10分 |
日程 | 1月8日、1月15日、1月22日、2月5日、2月12日、2月19 日、2月26日、(補講日3月5日) |
講義概要
阪神淡路大震災の発生した1995年が「ボランティア元年」と呼ばれてから30年。1998年にはNPO法が成立し、市民活動は社会の中でさまざまな分野において発展してきている。そうした活動は市民自身により市民社会を成長させていく姿と捉えることができる一方、行政からの期待が大きくなる中では、施策として安易に活用されることなく、改めて自主性や主体性を大切にしながら市民の力を高める役割や意義を再確認することも必要となる。国際社会では、持続可能な開発目標(SDGs)がゴールとする2030年まであと5年。日本社会で2040年に向けて誰一人取り残さない、一人ひとりが生きがいや役割をもって活躍できる地域共生社会がめざされている。そうした中、改めて講義を通じて、多様な主体が活躍する中でのNPO/NGOを含むボランティア・市民活動の今日的な意義を確認していく。また、講義では、実践に関わるNPO/NGOの人材からも具体的な活動を学ぶ機会を作っていきたい。
成熟した日本での持続可能な社会の実現に向け、多様なにニーズにきめ細かく対応するには、NPOの存在は欠かせない。NPOは、1988年にNPO法が施行され、公益法人制度改革を経て、多くの公益を担う「NPO」が増えてきたが、NPOは単なるボランティア組織であるという誤解も多いのが実情である。この科目では、NPOに関する具体的、理論的な検討を通じて、その社会的意義に関する理解を深めると共に、グループで「自分たちが創るNPO等創業計画」を作成、発表し、社会と自分との関係性が考えるのが最大の目標である。7回の講義を通して、グループワークを多く取り入れ、授業内で終わらない場合は授業外でグループワークを実施していただく可能性がある。
受講を通して得られるもの
・SDGsや地域共生社会をはじめ、市民自身が市民社会をどのように切り拓くべきかを考える 。
・ボランティア・市民活動の歴史的な背景と多様な主体の中で果たしている役割を理解する。
・NPO/NGOに関する基本的な理解を深める。
・NPO/NGOの運営に必要となるガバナンス等について理解する 。
・NPO/NGOのさまざまな分野における具体的な活動展開を理解する 。
受講の際の注意事項
受講前に必要となる知識・準備 | 不要 |
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グループワーク | あり |
課題 | あり(NPO等の創業計画作成のために、課外での作業が必要な場合がある。) |
その他 | ウェブサイトが閲覧できるパソコン等が必要です。 |
各回の講義予定
回 | テーマ |
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概要 | |
第1回 | テーマ:地域共生社会とは何か |
オリエンテーションとして本科目全体の概要を説明する。そのうえで第1回目の講義では持続可能な開発目標(SDGs)の生まれた背景とその理念を知るとともに、日本社会において「地域共生社会」がどのような市民社会をめざしているのかを知る。合わせて施策におけるNPOの協働や共想の視点から考える。 | |
第2回 | テーマ: NPOとは何か |
日本のNPOの歴史と現状、NPO法の基礎的な理解を学ぶ。 | |
第3回 | テーマ:NPOの活動紹介① |
さまざまな分野で活動するNPOの実践を学ぶ。 | |
第4回 | テーマ:NPOの活動紹介② |
さまざまな分野で活動するNPOの実践を学ぶ。 | |
第5回 | テーマ:NPOの活動紹介③ |
NPOの立ち上げから運営までの経営の実際を学ぶ | |
第6回 | テーマ:災害支援活動とNPO |
災害関連法制の見直しの内容と災害時にNPOならではの支援がどのように取り組まれてきているか、そして、平時からのネットワークづくりの意義を学ぶ | |
第7回 | テーマ:市民社会をデザインする |
ボランティア・市民活動が活用できる助成金の基礎知識を学ぶ。そうした助成金や施策との協働事業などの活用も想定しながら、各自がNPO団体を運営している代表者と想定したうえで、課題を解決するために助成団体や自治体に提案する事業企画検討し、グループ内でそれぞれに発表する。それらを共有し、課題に対応するネットワークをイメージし、市民社会の姿を全体でイメージする。 |
講師紹介
- 森 純一
- 東京ボランティア・市民活動センター 副所長 、 愛知淑徳大学福祉貢献学部 非常勤講師
は法学部に学び、 1993年、東京都社会福祉協議会に入職。入職2年目に阪神淡路大震災では神戸市兵庫区社協で災害支援活動を経験し、東日本大震災では関東Aブロック社協の幹事として福島県の支援に携わる。同協議会総務部企画担当で調査や広報活動に従事した後、福祉サービス運営適正化委員会委員長、地域福祉部長を経て、令和7年4月から現職。令和3年度から愛知淑徳大学福祉貢献学部で「社会福祉の原理と政策」を非常勤講師で受け持つ。