専門科目群/Social Issues(社会課題)領域
科目名 | SDGsと教育 |
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講師名 | 早稲田大学教授 黒田一雄 |
学期 | 春学期 |
曜日 | 木曜日 |
時間 | 10時30分~12時 |
日程 | 4月18日、4月25日、5月16日、5月30日、6月6日、6月13日、6月20日 ※5月9日は休講となります(4/18更新) |
講義概要
国境を越えた人の移動の爆発的増大、経済の国際的相互依存関係の深化、そして情報通信技術の長足の進歩は、従来基本的には一国の枠組みで考えられていた教育のあり方に対しても、「国際的」で「グローバル」な変容を迫っています。国際社会において、教育は基本的人権として位置づけられており、同時に社会経済開発においても重要な役割を果たしています。また、コロナ禍、ウクライナ戦争などの不安定化する国際関係の中で、教育の発展は異文化の共存・平和の構築にも貢献できる可能性を有しています。このような、教育分野の国際協力の方向性を体系化したものが、持続可能な開発目標(SDGs)の第4目標「質の高い教育」です。本講義では、SDG第4目標の背景にある、国際社会で提示された教育に関する様々な考え方や研究的知見を学びます。
受講を通して得られるもの
・SDGsの教育目標の背景を理解します。
・教育の国際的展開を理解します。
・教育に関するNGO活動・ボランティア活動に関わるための基本的な考え方を学びます。
各回の講義予定
回 | テーマ |
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概要 | |
第1回 | テーマ:SDGsと教育-総論 平和のための教育1 |
SDGs第4目標「質の高い教育」の概要紹介 国際社会が教育に求めた最も原初的な役割は、平和の維持・達成への貢献でした。平和のための国際教育協力の歴史を振り返ります。 | |
第2回 | テーマ:平和のための教育2 |
国際社会における最重要課題である平和に教育はどのように貢献できるのか。 様々な理論的考え方やアプローチを学びます。 | |
第3回 | テーマ:人権としての教育・教育の平等 |
戦後の国際社会は、人権としての教育や様々な社会集団間における教育の平等・公正の達成を、その規範としてきました。教育はなぜ人権なのか、教育の平等とは何なのかを考えます。 | |
第4回 | テーマ:開発のための教育・教育の質 |
教育経済学は、教育が人的資本の形成を通じて経済成長に貢献することを実証的に示してきました。また、教育は貧困削減に対しても効果的です。こうした実証研究の方法とその研究結果を学びます。 | |
第5回 | テーマ:インクルーシブ教育 |
障害児教育を基として、近年推進されている「インクルーシブ教育」は、多様性に処する教育です。インクルーシブ教育の本当の意味とその実現のための課題について、考えます。 | |
第6回 | テーマ:高等教育の国際化 |
留学生交流の拡大や国際共同研究・世界水準大学への志向・オンライン教育の国際展開等、高等教育の国際化が急速に進んでいます。その国際社会への影響と日本・アジアにおけるその推進策について考えます。 | |
第7回 | テーマ:教育のグローバルガバナンスと国際教育協力 |
EFA(すべての人に教育を)、MDGs(ミレニアム開発目標)、SDGs(持続可能な開発目標)のような教育のグローバルガバナンスが形成されています。今後の国際教育協力の展開を考えます。 |
講師紹介
- 黒田一雄
- 早稲田大学大学院アジア太平洋研究科・教授
1989年早稲田大学政治経済学部卒業。1993年スタンフォード大学大学院修士課程修了(M.A)。1996年コーネル大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。米国海外開発評議会(ワシントン)、世界銀行、広島大学を経て現職。これまでに、日本ユネスコ国内委員会委員、文部科学省国際教育協力懇談会・東京大学客員教授、早稲田大学国際部長・アジア太平洋研究科長、など歴任。現在、JICA緒方貞子平和開発研究所客員研究員、アジア学生文化協会理事等。編著に『国際教育開発論』有斐閣(2005)、『ユネスコ国際教育政策叢書全12巻』東信堂(2014-2016)、『日本の国際教育協力‐歴史と展望』東京大学出版会(2019)等。2019年、高等教育国際化への貢献に対してU21 Awardを受賞。