LRCⅡシラバス

専門科目群/Social Issues(社会課題)領域

科目名 持続可能な社会とNPO/NGOの役割
講師名 若林 秀樹 (国際協力NGOセンター理事/THINK Lobby 所長)
学期 夏学期
曜日 木曜日
時間 14時50分~16時20分
日程 7月11日、7月18日、8月1日、8月22日、8月29日、9月5日、9月12日
(補講日:9月19日)

講義概要

この科目では、NPO(Nonprofit Organization)を「非営利市民組織」としてとらえ、現代日本社会におけるNPOの現状と課題を具体的事例に基づき明らかにし、その社会的意義と問題点、将来展望を検討する。さらに具体的な活動事例としては、主に国内外で活動する日本のNPO/NGOに焦点をあて、また持続可能な開発目標(SDGs)とNGOとの関係についても触れる。

成熟した日本での持続可能な社会の実現に向け、多様なにニーズにきめ細かく対応するには、NPOの存在は欠かせない。NPOは、1988年にNPO法が施行され、公益法人制度改革を経て、多くの公益を担う「NPO」が増えてきたが、NPOは単なるボランティア組織であるという誤解も多いのが実情である。この科目では、NPOに関する具体的、理論的な検討を通じて、その社会的意義に関する理解を深めると共に、グループで「自分たちが創るNPO等創業計画」を作成、発表し、社会と自分との関係性が考えるのが最大の目標である。7回の講義を通して、グループワークを多く取り入れ、授業内で終わらない場合は授業外でグループワークを実施していただく可能性がある。

受講を通して得られるもの

・民間非営利組織(NPO/NGO)に関する基本的理解を深める。
・NPO/NGOの活動事例を通じて、その意義と問題点を明らかにする。
・持続可能な開発目標(SDGs)とNGOの役割を理解する。
・非営利組織の運営に必要なガバナンス、アカウンタビリティ、ファンドレイジング等について理解する。
・グループ毎にNPO等創業計画を作成、発表し、お互いに持続可能な社会に必要な民間非営利組織のあり方について学ぶ。

受講の際の注意事項

受講前に必要となる知識・準備 必要(可能な範囲で、ウェブサイトからNPO/NGOに関する情報を取得する)
グループワーク なし
課題 あり(NPO等の創業計画作成のために、課外での作業が必要な場合がある。)
その他 自宅等でウェブサイトが閲覧できるパソコンが必要です。

各回の講義予定

テーマ
概要
第1回テーマ:NPOとは、何か
オリエンテーションとして、本科目の概要、最終アウトプットを説明する。市民社会組織としてのNPOの特徴、政府や企業・ソーシャルビジネスとの違い、日本のNPOの歴史、NPOとNGOの違い等に触れる。
第2回テーマ:持続可能な開発目標(SDGs)とNPOの役割
第2回から6回にかけて「NPO等の創業計画」策定に必要な知識等を伝え、策定に向けた議論をグループで行う。また国連2030アジェンダ、持続可能な開発目標(SDGs)が生まれた背景とその本質、17の目標を知り、NPOの役割を考えてみる。
第3回テーマ:国内外のNGOの活動紹介
世界や日本で活動するNGOの活動を紹介し、紛争、難民支援、児童労働、子ども兵士等の問題と解決策を考えてみる。
第4回テーマ:NGOと市民が自由に活動できる意義
世界では、中国、香港、北朝鮮、ミャンマーで市民の活動が圧迫されており、持続可能な開発には、貧困、教育、健康、ジェンダー等の個別課題の解決と共に、市民が自由に活動できるスペース、表現の自由、法の支配等が重要であることを考え、市民ができることを考えてみる。
第5回テーマ:人生の機会として、NPO・NGOを捉えてみる
「社会は一人の勇気ある行動で変わる」あなたは、その一人になれるのか。世界を変えたNPOの創設者、例えば、「気候変動のための学校ストライキ」を実施したグレタ-・トゥーベリら、世界の市民リーダーの人生を考えてみる。
第6回テーマ:NPOを作るには、何が必要か
公益を担うNPOが社会に対して説明責任を果たし、持続可能性のある組織になるために必用な要素とは何か。NPO運営に必要なビジョン・ミッション、ガバナンス機能、組織運営、ファンドレイジング等を考えてみる。
第7回テーマ:自分が創るNPOを発表!
グループに分かれ、「自分ならこんなNPOを創ってみたい」を発表し、ディスカッションを行う。NPOを作るには何が必要なのか、ディスカッションを通じて、自分の社会との関りと役割を実感してもらう。

講師紹介

若林秀樹の画像
若林秀樹
NPO法人 国際協力NGOセンター(JANIC)理事 / THINK Lobby 所長

現職:NPO法人 国際協力NGOセンター(JANIC)理事/THINK Lobby所長(2022年4月~)
  国連グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン理事(2014年6月~)
  アジア開発連盟(ADA:Asia Development Alliance)アドバイザー(2022年10月~)

ヤマハ(株)社員、同労組役員、電機連合・総研副所長、在米日本大使館経済班一等書記官(ODA担当)、比例区選出の民主党参議院議員として「次の内閣」経済産業大臣等を歴任。米戦略国際問題研究所(CSIS)客員研究員、公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本事務局長、NPO法人 国際協力NGOセンター(JANIC)事務局長などを経て現職。