シラバス

専門科目群/Liberal Arts(教養)領域

科目名 先端理工学へのいざない~はじめて触れる先端科学技術の世界~
講師名 早稲田大学教授 前原 文明 他
年度 2026年
学期 春学期
曜日 木曜日
時間 16時40分~18時10分
日程 4月16日、4月23日、5月7日、5月14日、5月28日、6月4日、6月11日
(補講日:6月18日)

講義概要

本講義では、先端理工学のいくつかのテーマに触れながら、その背後にある考え方や社会とのつながりを、オムニバス形式で紹介します。「最先端の理工学」と聞くと、高度な専門家だけが扱う世界に思えるかもしれません。しかし、基本的な視点や理解の枠組みを身につけることで、専門知識がなくとも、現代の科学技術がどのように成り立ち、社会に貢献しているのかを自分なりの視点で捉えることができます。本講義は、そのような学びの“入口”として、ものの見方を広げ、未来の科学技術を考えるための視座を提供します。

受講を通して得られるもの

1. 先端理工学の多彩なテーマに触れ、“学ぶことそのものの楽しさ”を再発見します。
2. 異なる理工学分野の研究者から多面的な学びを得ます。
3. 技術トレンドや研究知見にアクセスする際の「読み解き方」が身につきます。
4. 先端技術と社会とのつながりを捉える視点を獲得し、自分の興味を“より深い学び”へとつなげる考え方を養います。

各回の講義予定

テーマ
概要
第1回テーマ:守りながら解き明かすゲノムの秘密講師:清水 佳奈
ゲノム解析の進展により大規模データ活用が進む一方、プライバシ保護が課題となっている。本講義では、秘密計算を用いた安全なゲノム情報共有と解析の新たな取り組みを解説する。
第2回テーマ:先端科学技術で解明する発酵食品の機能性講師:中尾 洋一
『発酵食品は体に良い!』という認識は多くの人に共有されている認識だと思いますが、では実際にどのような機能性成分がどのようなメカニズムで機能しているのかを解き明かすのは簡単ではありません。ここに先端科学技術の光を当てことで、これまであまり知られていなかった発酵食品の機能性が見えてくるような例をいくつか挙げて概説します。
第3回テーマ:電波は有限の見えない資源 ~周波数有効利用を支えるしくみ~講師:前原 文明
携帯電話や無線LAN、地上デジタル放送、防災行政無線などの無線サービスは、有限な周波数資源を効率的に活用することにより実現されています。本講義では、デモを交えながら、周波数資源の利用の様子と、限られた資源から多様で高度な通信・放送サービスが生み出されるしくみをわかりやすく解説します。
第4回テーマ:様々な形態や機能を持つロボットの研究開発事例の紹介 ~不整地移動ロボットからロボット歯ブラシまで~講師:石井 裕之
ロボットと言えば多くの人が人間形のロボットを思い浮かべるのではないかと思いますが、ロボット工学領域では人間形以外の形態のロボットについても盛んに研究されています。本講義では、様々な形態や機能を持つロボットの研究開発の事例を紹介します。
第5回テーマ:理工学と社会―その歩みをたどる講師:綾部 広則
理工学は、いまや「専門家」ではない人々にとっても無関係なものとして済ますことができない存在となっています。本講義では、理工学はいつ、どのような背景のもとに誕生し、現在のような形になったのか、そのプロセスを概観することで、将来の科学技術を考える視座の提供につなげたいと思います。
第6回テーマ:結び目理論入門講師:三枝崎 剛
お手元に一本のひもをご用意ください。それを絡ませて結び目を作り、両端をつなげてください。これらは、同じ型へと変形できるでしょうか。不変量という考え方を導入して、この問題に挑戦します。
第7回テーマ:理工学とバーチャルリアリティ ~先端技術を用いた映像表現への取り組み~講師:河合 隆史
バーチャルリアリティ(VR)は、私たちの身近な存在となりつつある先端技術の一つであり、理工学と社会実装の間を長期にわたり行き来しながら発展してきました。本講義では、VRの歴史や基本原理を概観するとともに、最新の映像表現についてデモンストレーションを交えて紹介します。

講師紹介

前原 文明の画像
前原 文明
早稲田大学理工学術院 教授

早稲田大学 基幹理工学部 情報通信学科教授.早稲田大学理工学部電子通信学科卒業.早稲田大学大学院理工学研究科修士課程,博士後期課程修了,博士(工学).日本電信電話株式会社(NTT)ワイヤレスシステム研究所研究員,日本学術振興会特別研究員(PD)などを経て2014年より現職.

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清水 佳奈
早稲田大学理工学術院 教授

2006年早稲田大学より博士(工学)取得.2006年~2016年国立研究開発法人産業技術総合研究所.2013年~2015年米国メモリアル・スローン・ケタリング癌研究所客員研究員.2016年早稲田大学准教授,2018年早稲田大学教授(現職).情報処理学会理事,日本バイオインフォマティクス学会理事等の学会役員,JSTさきがけ,創発的研究支援事業, NBDC統合化推進プログラム等の研究アドバイザを歴任.ISMB, ISCB-Asia, WABI等の国際会議PC member担当.KDDI Foundation Award 2022業績賞,平成30年度文部科学大臣表彰 科学技術賞(研究部門)等を受賞.

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中尾 洋一
早稲田大学理工学術院 教授

早稲田大学 先進理工学部 化学・生命化学科教授.早稲田大学理工学術院総合研究所 研究員(兼任).東京大学水産学科卒業,同大学院農学系研究科水産学専攻修士課程,博士課程修了,博士(農学).ハワイ大学博士研究員,東京大学助手・講師,早稲田大学准教授,などを経て2012年より現職.

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石井 裕之
早稲田大学理工学術院 教授

早稲田大学 創造理工学部 創造機械工学科 教授.早稲田大学機械工学科を卒業、同大学理工学研究科博士課程修了。博士(工学)取得ののち、2016年早稲田大学総合機械工学科准教授。現在、同学科教授。株式会社Genics取締役を2018年より務める。このほか、共創学会理事(2018-2022年)、日本ロボット学会理事(2024年-現在)、日本ロボット学会 Advanced Robotics Paper Awards受賞(2015年)、文部科学大臣表彰若手科学者賞受賞(2018年)。

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綾部 広則
早稲田大学理工学術院 教授

早稲田大学 創造理工学部 教授。九州大学理学部化学科卒業.東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程単位取得退学。博士(学術)。東京大学助手等を経て現職。科学技術社会論学会元会長。主な著書に『新通史―日本の科学技術―世紀転換期の社会史1995~2011年』(共編著、原書房、2011-12年)、『よくわかる現代科学技術史・STS』(共編著、ミネルヴァ書房、2022年)など。

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三枝崎 剛
早稲田大学理工学術院 教授

早稲田大学理工学術院教授.東京理科大学応用数学科卒業.九州大学大学院数理学府修士課程,博士後期課程修了,博士(数理学).山形大学講師・准教授,琉球大学准教授などを経て2021年より現職.

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河合 隆史
早稲田大学理工学術院 教授

早稲田大学 基幹理工学部 表現工学科 教授。早稲田大学人間科学部卒業、同研究科博士後期課程修了後、早稲田大学国際情報通信研究科 准教授などを経て現在に至る。博士(人間科学)。主な著書に「バーチャルリアリティ映画制作 - ハリウッドの実践テクニックとベストプラクティス(カットシステム,2018年)」、「3D立体映像表現の基礎(オーム社,2010年)」など。