専門科目群/Social Issues(社会課題)領域
科目名 | SDGsと教育~途上国の国際教育協力を中心に~ |
---|---|
講師名 | 慶応義塾大学文学部 人文社会学科 准教授 川口 純 |
年度 | 2025年 |
学期 | 春学期 |
曜日 | 木曜日 |
時間 | 10時30分~12時 |
日程 | 4月17日、4月24日、5月15日、5月22日、6月5日、6月12日、6月19日 (補講日:6月26日) |
講義概要
教育はSDGsの目標4に該当するだけでなく、SDGs全体の目標達成に資する基礎的な役割も担います。また従来は1か国のみで完結していた教育も、現在は国際的な枠組み無しでは成立しません。そこで本授業では国際教育協力の基本的な考え方や仕組みを学ぶとともに、具体的な実践事例についても紹介します。そして、変わりゆく学力観や教員観についても議論を深めていきます。
また、授業全体を通じて、受講者の皆さんが、実際にNGOやボランティア活動等で国際的に貢献するアプローチについても確認します。
受講を通して得られるもの
・SDGsについて、特に第4目標「質の高い教育」の背景や狙いについて学べます。
・途上国の国際教育協力について基礎的な考えや仕組みが学べます。
・教育に関するNGO活動・ボランティア活動について学びます。
受講の際の注意事項
受講前に必要となる知識・準備 | 不要 |
---|---|
グループワーク | あり |
課題 | なし |
各回の講義予定
回 | テーマ |
---|---|
概要 | |
第1回 | テーマ:SDGsの第4目標「質の高い教育」 総論 |
SDGsについて、特に第4目標「質の高い教育」の背景や狙いについて学習します。 | |
第2回 | テーマ:開発のための教育:教育の外在的価値 |
国際教育開発の戦後からの歴史的変移を概観するとともに、教育が持つ外在的価値に焦点を当てます。教育経済学の収益率の考え方を参考に議論を深めます。 | |
第3回 | テーマ:教育の質と人権:教育の内在的価値 |
第2回と反対に今度は教育が本来持つ内在的価値に焦点化します。教育学の観点を中心に国際教育開発を概観していきます。 | |
第4回 | テーマ:教育における包摂性:インクルーシブ教育 |
SDGsの全体的なキーワードにもなっている包摂性について焦点を当てます。特に教育のインクルージョンとインクルーシブ教育について議論を深めます。 | |
第5回 | テーマ:教育の平等と公平性 |
第4回の教育の包摂性とも関係しますが、第5回では、教育の平等(Equality)と公平(Equity)について諸理論を確認した後、具体的な事例を参照にグループワークを実施して頂きます。 | |
第6回 | テーマ:教員政策と国際協力 |
教育の問題を考えると最後には全て教員の問題に帰結すると言われていますが、第6回では、途上国の教員が如何に養成され、勤務しているのか、日本との比較も交えつつ、確認していきます。 | |
第7回 | テーマ:「学力観」について:求められるニーズの変化 |
現在、これまで学校教育に求められてきた「学力」について再検討がなされています。暗記中心型の学力から非認知能力や問題解決能力など、従来の学力観とは異なる新たな学力が注目されています。では如何にその様な学力を伸ばしていくのか、課題は何か確認していきます。 |
講師紹介

- 川口 純
- 慶応義塾大学文学部 人文社会学科 准教授
マラウイでの青年海外協力隊を2年間、務めた後、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科で修士号、博士号を取得する。JICA研究所研究員、大阪大学人間科学研究科助教等を経て、現在は慶応義塾大学文学部教育学専攻 准教授。
専門は比較・国際教育学、国際教育開発論。
著書に、『教員政策と国際協力:未来を拓く教育をすべての子どもに』(共編著、明石書店、2018年)、『国際教育開発への挑戦:これからの教育・社会・理論』(共編著、東信堂、2021年)、『SDGs時代のインクルーシブ教育:グローバルサウスの挑戦』(編著、明石書店、2024年)など。