シラバス

専門科目群/Communication(コミュニケーション)領域

科目名 伝わるためのwebライティング手法~アウトプット技術の整理~

講師名 「プレミアムジャパン」コントリビューティングエディター・元「婦人画報」編集長代理 櫻井正朗
学期 秋学期
曜日 火曜日
時間 14時50分~16時20分
日程 10月1日、10月8日、10月22日、10月29日、11月12日、11月19日、11月26日
(補講日:12月3日)

講義概要

 効果的なアウトプットのための、情報の「収集」「整理」「分析」とは
 ~紙媒体とweb媒体の現場で経験してきた、インプット、編集、そしてアウトプットのノウハウ~

 アウトプット。日本語に置き変えるならば、「出力」という逐語訳より、むしろ「自己表現」。とは言うものの、アーティストやアスリートならともかく、一般の人々にとって、自己表現やその具体的な方法は千差万別です。でも、どのような自己表現方法であっても、いわゆるインプットから始まる、情報収集、情報整理、情報分析は、必要不可欠のはず。この講座では、最終的なアウトプットを目標とした、情報収集、情報整理、情報分析を「編集」と捉え、その具体的なノウハウを受講生の皆さんと考えていきたいと思います。また、こうした「編集」を視野に置いた、「書く」作業の大切さにも、触れたいと思います。雑誌の花形である高級女性誌の編集部に30年以上在籍し、さまざまな取材・記事執筆を経験し、なおかつ紙媒体からウェブメディアへの移行を体験した講師が、アウトプットのために、情報とどう向き合ってきたか、そして紙媒体とウェブメディアでの「アウトプット」の違いをお伝えます。講座の最後には、「アウトプット」とAIの関係に触れつつ、気軽な「アウトプット」のひとつである、「俳句」の楽しさを受講生の皆様と共有したいと思います。

受講を通して得られるもの

・アウトプットためにはインプットが必要あることを知る
・情報収集、情報整理、情報分析、取材のノウハウを知る
・アウトプットに必要な「書く」技術を身につける
・「書く」ことと表裏一体の「読む」コツを身につける
・紙媒体とwebメディアにおける「アウトプット」の違いを知る

受講の際の注意事項

受講前に必要となる知識・準備 不要
グループワーク あり
課題 あり(授業中に指示する)
その他 第一回の講義前までにアンケートを実施、回収予定。

各回の講義予定

テーマ
概要
第1回テーマ:アウトプットとは何か
●「アウトプット」とは何か。個々の受講生によって捉え方が異なる「アウトプット」を、それぞれが自己認識し、そのためには何が必要かを受講生が自ら考え、気づくためのスタートラインを構築します。
*「あなたにとってのアウトプットとは? 何をアウトプットしたいか?」の簡単なアンケートを事前に実施。個々へのフィードバックはしませんが、それを講師がとりまとめ、受講生の傾向を把握して第一回の講義で発表しつつ、そのデータを2回目以降の講義でも活用します。
3週間前にアンケート内容を受講生に提示。1週間前に事務局回収。
第2回テーマ:アウトプットのためのインプットと情報収集
●アウトプットするためには、「アウトプットしたい対象」を持つことが必要です。そのためには予め、自分のなかに対象を「インプット」しておくことが重要。自分は「何に」関心があり、それをどう「インプット」し、自身のテーマとしていくかの自己確認をしてみましょう。
●「インプット」の対象が確定したら、それに対するアプローチ、つまり情報収集が必要です。日常のなかで、どのように情報収集していくかのノウハウです。
第3回テーマ:アウトプットのための情報整理と分析方法
●収集の結果得られた情報は、時として膨大なものになります。それをどのように整理・分析していくか。講師が現在関わっている、とあるプロジェクトの具体例を参考に、その方法をお伝えします。
●また、情報収集のための、いわゆる取材はどのように行うか。そのノウハウを、やはり講師の経験をもとにお伝えします。
第4回テーマ:媒体によるアウトプットの違い プリントとwebを比べてみて
●紙媒体の雑誌とウェブマガジンの最前線で何が起きているか。両者の現場に今も関わっている講師が、それぞれのアプロ―チの違いや、最終的なアウトプット方法の差異などを、講師の自己体験に基づく具体例をもとにお伝えします。
第5回テーマ:アウトプットのための「書く」技術
●「アウトプット」の基本となるのは、やはり書く技術です。自分の意志や、その場の状況を相手に伝えるためには、正確な文章を書くことが必要となってきます。紙媒体とwebで、長年にわたって原稿チェックに携わってきた講師が、自ら作成し現場の書き手たちに配布した『文章読本』をもとに、正しい文書とは何かを考えます。また、原稿チェックで遭遇した悪文の実例なども紹介します。
第6回テーマ:アウトプットのための「読む」技術
●「書く」技術と「読む」技術は、じつは表裏一体のものです。また、各個人によって何を読み取るか、大きな差があります。グループワークを行うことによって、個々人の「読み」の違いを理解しつつ、それをひとつの解釈にまとめていきます。
*課題は授業中に指示し、授業内でのワークにします。
第7回テーマ:より豊かなアウトプットとAI進出の現状
●「アウトプット」のための情報収集、情報整理、分析方法などを総括しつつ、現場では、どこまでAIが進出しているか、その現状をお伝えします。
●気軽で楽しく実行できる「アウトプット」のひとつとして「俳句」を取りあげ、句作の第一歩を受講生と共有し、その楽しさを味わうと同時に、こうした短詩にAIがどこまで入り込んでいるかの実体験を味わいます。

講師紹介

櫻井正朗
「プレミアムジャパン」コントリビューティングエディター・元「婦人画報」編集長代理

早稲田大学第一文学部卒業 スキー雑誌の編集者を経た後、婦人画報社(現ハースト婦人画報社)入社。婦人画報編集部に30年以上在籍し、伝統工芸や茶道など主に伝統文化関連の特集記事の企画・取材編集・執筆に深く関わる一方で、文芸担当として、数多くの作家と交流を深める。故宮尾登美子氏を特集した記事で、日本雑誌協会が主催する雑誌記事コンクールで大賞を受賞(2008年)。現在は、フリーランスの編集・ライターの立場で、『婦人画報』をはじめ、ウェブマガジン「プレミアムジャパン」で記事を執筆するほか、『婦人画報』の原稿チェックに携わる。