シラバス

専門科目群/Social Issues(社会課題)領域

科目名 サスティナブル・ディベロップメント~将来世代との共生社会を考える~
講師名 拓殖大学政経学部教授  奥田進一
学期 春学期
曜日 土曜日
時間 13時~14時30分
日程 4月19日、4月26日、5月10日、5月17日、5月24日、6月7日、6月14日
補講日:6月21日

講義概要

 SDGsが提唱されてから、サスティナブル・ディベロップメント(持続可能な発展)という概念が社会に深く浸透したが、その実現や考え方については明確になっているとは言い難い。本講義では、将来世代の視点(フューチャー・デザイン)から、現代社会が抱える様々な課題に対して考える作業を行う。これによって、現代社会および現代世代において正しいと思われている考え方や行動法パターンを見直し、将来世代にとってもよりよい社会のあり方を探り、その実現に向けた取り組みを考える。

受講を通して得られるもの

-世代間衡平および世代間倫理に関する考え方
-将来社会のデザイン方法
-ライフスタイルの見直し -
-資源利用の新しい考え方
-気候変動とそれに伴う自然災害等への対応
-ネイチャーポジティブによる社会変革

受講の際の注意事項

受講前に必要となる知識・準備 不要
グループワーク あり
課題 なし
その他 本講義は、教員が一方的に話す手法ではなく、グループワークによるディスカッションを主とします。他方で、予備知識や専門知識は不要です。これまでの経験や感性を十分に活かして、講義でとりあげるテーマを考え抜いてください。

各回の講義予定

テーマ
概要
第1回テーマ:2050年から未来を考える
フューチャーデザインの考え方を理解したうえで、2050年に生きる人間として、そこから過去(2025年)を振り返りつつ、2050年の時代状況を踏まえてさらに未来の社会のあり方を議論します。
第2回テーマ:土地資源利用について考える
江戸時代から今日までの土地に対する考え方および土地の権利関係について概観したうえで、将来の望ましい土地利用と権利のあり方について議論します。
第3回テーマ:水資源利用について考える
河川水や地下水をめぐる法制度や権利関係等を理解したうえで、「水は誰のものか?」という問題を、わが国の将来の水利用の方向性について議論します。
第4回テーマ:食料生産について考える
現在のわが国の食料自給率は37%前後を推移し、外国から食料を購入するだけの経済力も失われつつあり、労働力も慢性的に不足しています。この状況下において、国民の食料をどのようにして生産し調達すべきかについて議論します。
第5回テーマ:都市環境について考える
2008年に人口ピークを迎えたわが国では、コンパクトシティや都市縮減が検討されています。また、CO2排出の削減という大きな命題に応えるべく、とくに将来の都市の交通インフラのあり方について議論します。
第6回テーマ:気候変動に起因する災害への対応について考える
地球温暖化に起因するわが国での水害被害は年々深刻さを増しており、2020年以降は「流域治水」という考え方に基づく法政策が始動しました。この考え方を踏まえて、将来の災害に強い国づくりを実現するための方策について議論します。
第7回テーマ:生態系の中での人間社会について考える
ネイチャーポジティブという考え方を理解したうえで、われわれの日常社会の中に生物多様性を取り込み、人間も生態系の一部として機能する社会づくりのあり方について議論します。

講師紹介

奥田進一の画像
奥田進一
拓殖大学政経学部教授

早稲田大学法学部、同大学院法学研究科修士課程修了。現在、拓殖大学政経学部教授。他に、早稲田大学社会科学研究科客員教授、放送大学客員教授、明治大学大学院法務研究科兼任講師、日本大学大学院法務研究科非常勤講師、総合地球環境学研究所客員研究員などを歴任。
主要著書は、『環境法へのアプローチ』(共編著・成文堂・2007)、『農業法講義』(成文堂・2008)、『中国の森林をめぐる法政策研究』(編著・成文堂・2014)、『共有資源管理利用の法制度』(成文堂・2019)、『森林と法』(共編著・成文堂・2021)、『環境法~将来世代との共生』(共編著・成文堂・2023)など多数。日本不動産学会著作賞受賞(2019年)、モンゴル国友好勲章受章(2023年)。