Life Redesign科目群
科目名 | ジェロントロジーを学ぶ~幸齢人生の基礎知識~ |
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講師名 | 一般社団法人 日本応用老年学会 安藤孝敏(講師代表)ほか |
年度 | 2025年 |
学期 | 夏学期 |
曜日 | 土曜日 |
時間 | 14時50分~16時20分 |
日程 | 7月5日、7月12日、7月19日、8月2日、8月23日、8月30日、9月6日 (補講日:9月13日) |
講義概要
ジェロントロジーは、高齢社会を幸齢社会にする知恵と知識の学問です。
人生後半は、何を手放し、何を得るのか。この課題を医学、健康、介護、心理、金融、社会保障、地域づくり、就労、社会参加など、幅広く学際的に学習。各分野の専門家がこれから理解しておかなければならない基本の知識を分かりやすく解説しながら、知識を活かして豊かに生きる道案内をします。
カリキュラムは一般社団法人・日本応用老年学会がバックアップし、テキストは、これらの知識が簡潔に平易にまとめられているジェロントロジー検定試験公式テキスト「すぐわかる!ジェロントロジー」を使用。
1冊にまとめられているので、後々まで人生の参考書になります。
幅広い角度からの学習ですが、全講義を通じて集約される焦点はひとつ。
後悔しない人生に仕上げる各人のウェルビーングです。
受講を通して得られるもの
・加齢のマイナスイメージが科学的エビデンスの元に払拭され、老いこそ人間の発達であると認識できる。
・心身の老化には、高齢期の予防医学による正しい対策があり、そのポイントが理解できる。
・人生後半の暮らしを守る医療・介護等の社会保障制度の活用法を説明できる。
・充実したこれからの人生に欠かせない、社会との関り方や認知症共生社会の作り方がわかる。
・「健康長寿な資産寿命」を実現するため、「認知機能の盲点や落し穴」を知り、「危機予防」の観点から資産リスクマネジメントを考える。
・健康寿命を延ばすための最新知見、住まいと健康の視点から「生活環境病」の落とし穴を把握できる。
受講の際の注意事項
受講前に必要となる知識・準備 | 必要 |
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グループワーク | なし |
課題 | なし |
その他 | ●テキストについて 受講するにあたり、株式会社社会保険出版社より発行された以下のテキストが必要になります。 「高齢社会の基礎知識 すぐわかる!ジェロントロジー」ジェロントロジー検定試験 新公式テキスト 1,650円 (税込み) 日本橋キャンパスLRC事務局で一括購入後、受講する皆さまにご購入いただく形式をとります。 ●ジェロントロジー検定試験について ジェロントロジー検定試験は一般社団法人日本応用老年学会が主催する検定試験です。 本科目受講者は全7回の講義終了後、大学が指定する日時で「ジェロントロジー検定試験」を任意で受験することができます。 テキストから学んだ知恵と知識の習得を自身で確認する機会になると共に、合格者は検定試験主催学会より「ジェロントロジー・コンシェルジュⓇ」として認定されます。 【検定日時】2025年9月27日(土)13時~14時30分(12時45分着席) 【検定会場】早稲田大学日本橋キャンパス 教室8・9 【検定料】3,960円(税込み)※団体割引適用価格 【対象者】本科目受講者 ※7月中旬よりLRC事務局が窓口となり、申込み受付を開始いたします。 ※受験票の発送等、申込後の流れについては講義開始後に詳細をお知らせいたします。 |
各回の講義予定
回 | テーマ | |
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概要 | ||
1 | テーマ:これからの高齢者の役割と生涯発達 | 講師:安藤 孝敏 |
「8割の高齢者は自立し、社会を支える知恵と力を持っている」という正しい高齢者像を認識し、さらにその知恵と力をしなやかに活かす生涯発達理論を学ぶ。 ========================== テキスト:第1章 1、2、7、8 第2章4、 5 | ||
2 | テーマ:医療&予防医学の必須知識 | 講師:新開 省二 |
中年以降の健康管理は、現役時代と着眼点が異なります。多少なりとも老化の影響を受けながらも、心身状態をイキイキと保ち、充実した後半人生を創るポイントを学ぶ。 ========================== テキスト:第2章 2 第4章 1、2、8、9、11 | ||
3 | テーマ:住まいと健康 | 講師:伊香賀 俊治 |
後半人生の日々を過ごす中心は、職場ではなく自宅。「住まいという生活環境が老後の幸せを左右する」ことを多くの人が認識していません。住まいが招く生活環境病とは。 ========================== テキスト:第4章 12 | ||
4 | テーマ:医療保険制度と介護保険制度 | 講師:中谷 陽明 |
医療保険および介護保険の正しい知識の習得は、要支援・要介護になっても急に困らないようにするために、さらには、困っている人へアドバイスができるようにするためにも重要です。 ========================== テキスト:第5章 5、6 | ||
5 | テーマ:高齢者の資産寿命とリスクマネジメント | 講師:平田 潤 |
人生100年時代、高齢者にとっていかに健康長寿な「資産寿命」を実現するかが重要です。「資産寿命」を護るには、Safety とWell-Beingの両面から「危機予防」としてのリスクマネジメントが不可欠です。本講はリスクとして、「特殊詐欺」や「争族(相続)」等を取上げて、高齢者のバイアスや盲点がもたらす「誤った認知・危ない金融行動」等について、「金融老年学」の見地から学習していきます。 ========================== テキスト:第1章 3、4、5、6 | ||
6 | テーマ:社会参加と就労、認知症予防と認知症共生社会 | 講師:藤原 佳典 |
健康寿命を伸ばし、人生を最後まで充実させて生きるには、地域活動や就労が効果的。それが認知症予防にもなることを、エビデンスを交えて学び、前向きな人生設計を学習。さらに、認知症の方への正しい接し方とケアの心得も知り、これから自分たちが生きていゆく社会が認知症共生社会であることの大切さを知る。 ========================== テキスト:第3章2、5 第6章 1、5 | ||
7 | テーマ:人生仕上げの終活と終末期の備え | 講師:萩原 真由美 |
第二の人生、最後まで自分らしく納得できる生き方で終盤を飾るためには、いずれやってくる人生の最終章まで考えておくこと。その大切さと価値を学ぶと、いくつになっても主体的に自分の人生を自分でデザインして生きてゆく力がつくことを知る。 ========================== テキスト:第5章 2 |
講師紹介

- 安藤 孝敏
- 横浜国立大学大学院環境情報研究院 教授、一般社団法人 日本応用老年学会常務理事
1989年早稲田大学大学院単位取得退学、早稲田大学助手、(財)東京都老人総合研究所社会学部門助手、横浜国立大学教育人間科学部准教授・教授を経て、2017年より現職。
専門分野は社会老年学(ジェロントロジー)、高齢者心理学、人と動物の関係学。
主な著書に『改訂・新社会老年学:シニアライフのゆくえ』(編著・ワールドプランニング)、『「人と動物の関係」の学び方』(分担執筆・インターズー)などがある。

- 新開 省二
- 女子栄養大学大学院 地域保健・老年学研究室 教授、一般社団法人 日本応用老年学会 理事長
愛媛大学医学部で国内外の留学を含めて14年間、衛生・公衆衛生学の教育、研究に従事したのち、東京都健康長寿医療センター研究所で22年間、健康長寿の疫学研究と地域保健活動に従事。女子栄養大学では公衆衛生学の講義と大学院教育を担当。日本応用老年学会理事長の他、日本公衆衛生学会、日本体力医学会、日本老年社会科学会の理事、厚生労働省「健康日本21第二次」専門委員など歴任。日本公衆衛生学会奨励賞(2006年)、都知事賞(2007年、発明・発見部門)など受賞。
専門分野は、老年学、公衆衛生学(キーワード:老化、健康寿命、栄養、フレイル)。学術論文450本の他、著書多数。NHKなどのマスコミにもよく出演。

- 伊香賀 俊治
- 慶應義塾大学名誉教授、一般財団法人 住宅・建築SDGs推進センター 理事長、 一般社団法人 日本応用老年学会 理事
1981年早稲田大学理工学部建築学科卒業、同大学院修了。
(株)日建設計・環境計画室長、東京大学助教授を経て、2006年慶應義塾大学理工学部教授に就任、博士(工学)。
主な研究課題は『住環境が脳・循環器・呼吸器・運動器に及ぼす影響と疾病・介護予防便益評価』。日本学術会議連携会員、日本建築学会副会長、日本LCA学会副会長、日本応用老年学会理事を歴任。
『すこやかに住まう、すこやかに生きるゆすはら健康長寿の里づくりプロジェクト』慶應義塾大学出版会、『“生活環境病”による不本意な老後を回避する―幸齢住宅読本―』社会保険出版社。

- 中谷 陽明
- 桜美林大学大学院 国際学術研究科 教授・老年学学位プログラム長、一般社団法人 日本応用老年学会 理事
1986年ハワイ大学ソーシャルワーク大学院修士課程を修了後、1987年東京都老人総合研究所へ入所。その後、日本女子大学人間社会学部助教授・准教授、松山大学人文学部教授を経て、2019年より現職。2021年より桜美林大学大学院老年学学位プログラム長。日本社会福祉学会、日本老年社会科学会などに所属。
編著書に「社会福祉研究法: 現実世界に迫る14レッスン (有斐閣アルマ)」、「老年学を学ぶ: 高齢社会の学際的研究 (桜美林大学叢書 7)」共著、「高齢者福祉とソーシャルワーク (社会福祉基礎シリーズ)(有斐閣)」共著、「介護保険制度の評価―高齢者・家族の視点から(三和書籍)」共著、など多数。

- 平田 潤
- 桜美林大学 名誉教授、博士(学術)、一般社団法人 日本応用老年学会理事
東京大学法学部卒、第一勧業銀行(現みずほ銀行)で国内(大手町支店・国際本部他)、海外(ニューヨーク支店)を担当、次いで第一勧銀総合研究所(現みずほ総研)国際調査部長・主席研究員を務め 2004年から桜美林大学ビジネスマネジメント学群教授、同大学院教授を経て、2022年名誉教授。その間、経済産業省アジア通商金融研究会委員、経済財政諮問会議(経済動向分析検討チーム)委員、九州大学(経済学府)、青山学院大学等の兼任講師を務める。
著書:「21世紀型金融危機とIMF(監修)」(東洋経済新報社 1999年)、「長期不況はなぜ繰り返すのか」(東洋経済新報社 2004年)、「アメリカ経済がわかる本」 (東洋経済新報社 2012年)、「21世紀日本型構造改革試論」(弘文堂 2014年) 、「プレステップ金融学 改訂新版」(弘文堂 2018年)

- 藤原 佳典
- 東京都健康長寿医療センター研究所 副所長、一般社団法人 日本応用老年学会 副理事長
北海道大学医学部卒業後、京都大学大学院医学研究科博士課程修了(医学博士)。
京都大学病院老年科などを経て、2000年東京都老人総合研究所研究員。
2011年東京都健康長寿医療センター研究所研究部長、東京都介護予防・フレイル予防推進支援センター長兼務、2023年より現職。多世代共創の視点から高齢者の社会参加・貢献がもたらす多面的な効果について研究。内閣府・厚生労働省の検討会構成員、多数自治体の審議会座長等を務める。日本老年社会科学会理事、日本世代間交流学会副会長他
編著書に『PDCAを回す!地域を動かす!コミュニティサポートブック―地域共生社会実現のために』(社会保険出版社)、『何歳まで働くべきか』(社会保険出版社)、『就労支援で高齢者の社会的孤立を防ぐ』(ミネルヴァ書房)、『地域を変えた「絵本の読み聞かせ」のキセキ』(ライフ出版社)他多数。

- 萩原 真由美
- 桜美林大学老年学総合研究所連携研究員、医学ジャーナリスト、博士(保健学)、一般社団法人 日本応用老年学会常任理事、(株)社会保険出版社顧問
早稲田大学政治経済学部経済学科卒、桜美林大学大学院老年学研究科修士、女子栄養大学大学院保健学専攻博士。
日本医学ジャーナリスト協会会員。長年、医療及び健康系の編集&執筆に従事したのち、社会保険出版にてジェロントロジーにかかわる書籍等の企画制作を担当。
主な編集および共同執筆に「高齢社会の道案内 ジェロントロジー入門」「高齢社会の基礎知識 すぐわかる!ジェロントロジー」などがあり、その他「デスカフェ・ガイド~「場」と「人」と「可能性」~」(クオリティケア)がある。