60歳定年に達し、再雇用5年の中間地点にいた2022年後半、社会人の学び直しについて書かれた新聞記事に出会う。その記事には「大学は自分がいかに無知であるかを知るための場所だ」と書かれていた。
まさに今後の人生設計について考えていた時期である。
大学での学び直しに興味が沸き、早稲田大学LRCに会社勤務と並行して通った。
LRCでクラスワークやゼミ、サークル活動(読書会、エンタメ会等に所属)に参加することで、人との繋がりが広がったことが、自分とって最大の収穫であり、修了した今でも一番の宝になっている。
また引き寄せの効果ともいうべきか。
在学中の経験によって今まで気づかなかったことに、ふと気づかされることもある。例えば、クラスワークでベリクソン(フランスの哲学者。ノーベル文学賞受賞者)について学んだことで哲学に関心が向き、哲学者カントが述べている「理論と実践」両輪としての考えが気になるようになった。カントは実践なき理論は空論であり、理論なき実践は盲目であると述べている。
LRCでの学びを経て自身の半生を振り返ると、まさに「実践」のみの社会人生活であったことに気づく。
そこで、MOT(Management Of Technology)理論を学ぶため、LRC修了後の2024年7月に都内某大学院を受験し、合格することができた。
大学院では、LRC在学中の講義(SDGzとソーシャル・ビジネス)にて取り上げられていたサーキュラーエコノミーのリチウムイオンバッテリーのリユース及びリサイクルの研究を行う予定だ。自分の研究が社会課題を解決する一助になればと考えている。
大学院での学びと同時に、2025年度より新規に設置されるLRC Advanced Course にも参加予定である。
LRCで得た貴重な人とのつながりを継続しながら、これからも「答えのない問い・学問」に真摯に向き合っていきたい。
※写真は京都法然院と、所属したゼミナール担当講師への寄せ書き